このままなら名実ともに球界トップに躍り出そうだ。楽天・浅村栄斗内野手(29)の打棒がとどまる気配を見せない。

 今季序盤からチームをけん引する主砲は、7―5で逆転勝ちした11日の西武戦(メットライフ)でも先制の適時二塁打を放つなど好調をキープ。浅村自身も「あまり調子が悪いとは思っていないです」とのことで、打撃成績は打率2割9分2厘、14本塁打、50打点。本塁打、打点はリーグトップだ。

 なかでも秀逸なのが打点で、45試合の出場ですでに50打点に到達。このペースは120試合制の今季でも130打点以上を挙げる計算になる。浅村のシーズン最多打点はタイトルを獲得した2018年の127打点。同年は143試合での記録で、このままなら記録更新に加え、自身初の2冠も夢ではない。

 そうなると気になるのが浅村の来季年俸だ。今季年俸は推定で5億円だが、球界内では実は7億円ともっぱら。しかも、この年俸には出来高払いの分が含まれておらず、仮に2冠獲得なら2億円程度が上乗せされるとも言われる。となれば、現在6億5000万円(推定)で球界トップに君臨する巨人・菅野智之投手(30)を上回る可能性も出てくる。浅村を知るチーム関係者はこう話す。

「菅野も浅村もあくまで金額は推定ですが、実際のところは今季も同じ額程度で並んでいるはず。ただ、浅村の場合は球界を代表するスラッガーにもかかわらず、FA移籍による周囲のやっかみなどもあってか、常に“隠れ最高年俸選手”と言われています。これは本人も本望ではないと思う。今季2冠を獲得し、チームのリーグ優勝に貢献すれば球界最高年俸にふさわしい選手として周囲から認知されるに違いない。本人もそんな思いを胸にシーズンを戦っているのかもしれない。実際に楽天移籍後はチームのリーダー的役割を果たしながら、結果も出し続けていますからね」

 好成績を残し、真のトップへ。この目標があれば浅村は最後まで心配ないか。