中日・大島洋平外野手(33)が意地のひと振りでチームを3―1の逆転勝ちに導き、3位・広島とのゲーム差を3・5としてCS進出への望みをつないだ。

 18日の巨人戦(ナゴヤドーム)は6回まで相手先発・高橋の前に無安打無得点と打線が沈黙。しかし、1点を追う7回に先頭の福田が左前にチーム初安打を放つなどして同点に追いつくと、二死二塁から大島が3番手・田口の直球を完璧に捉えて2号2ランを右翼席に突き刺した。

「うまく反応できた。外野が前だったので、打った瞬間は(外野の頭を)越えたと思った。しっかり一発で捉えられた」と手応えは十分だった。

 この日の大島は、4月13日の阪神戦(甲子園)以来、今季2度目の7番降格。今季はほとんど1、2、3番の上位打順で出場してきたプライドもある。ニコリともせずダイヤモンドを一周したことに「そりゃあ喜ばないでしょう。ここにきて7番に下げられて。(打席が)全然回ってこないから暇でした。心の中は穏やかではないです」と険しい表情を崩さなかった。

 18日現在、打率3割1分2厘はリーグ4位、30盗塁は同3位、164安打は同3位で、いくつかのタイトルを射程圏に捉えている。「タイトル? 狙ってますよ。諦めたらシーズンは終わり。残り試合も少ないし、どっかで固めた人が抜けると思う。今日は7番だったんで、3打席しかないと思って全部打ってやろうと思っていた」と奮い立っていた。

 大島について与田監督は「このところ調子が良くなかったので、あのひと振りでよく決めてくれた」。残り8試合で自力CSの可能性もまだあり、大島は「本当に一つも落とせない状態。個人記録を残せば、チームにも貢献できると思っているので、目の前の試合に集中してやっていくだけ」と、打順は何番だろうと結果を残す意気込みだ。