困りものだ。交際を迫るため奈良県の知人女性(80)宅に無断で押し掛けたとして、同県警吉野署は10日、ストーカー規制法違反などの疑いで、和歌山県橋本市の無職新田武雄容疑者(85)を逮捕した。新田容疑者は、同様の事件で1月に逮捕されていた。懲りないジイサンだが、こんなケースに専門家は「警察に頼るだけじゃダメ」と指摘。高齢者にストーカーが増えている背景とは…。
逮捕容疑は5月2日、女性宅に無断侵入したほか、昨年11月には女性宅に約10回電話して「待ってるで。出てこいよ」などのメッセージを残した疑い。「ひと目会いたい気持ちもあったが、1月に逮捕された恨みで文句も言いたかった」と供述しているという。
女性は昨年10月に被害を訴え、県警が新田容疑者に口頭で警告。その後、女性を電話で脅したとして、1月に脅迫容疑で逮捕した。約4年前、妻が入院していた病院で知り合ったことが2人の接点だ。妻が死去してから、1人暮らしの女性宅に頻繁に押し掛けるようになった。
老人ストーカーは社会問題になるほど近年になって増加している。事件を起こして紙面を騒がせることも珍しくなくなった。社団法人「日本人生相談カウンセラー協会」(さいたま市)代表理事で離婚カウンセラーの岩崎美佐緒氏(50)は「今は80歳過ぎても元気。コミュニティーとの接点のない独居老人も増加した。孤立した老人が、お気に入りの異性を見つければ、執着してしまう」と解説する。
だが、基本的にはストーカーの行動に年齢は関係ないという。すべては自分に都合のよい思い込みが原因だ。ストーカーは嫌がられていることが理解できない。
「メールしないで」「嫌い」などの否定的な言葉でさえ、脳内で「本当は会いたいんだ」「好きだ」という肯定に変換される。ストーカー行為も嫌がらせではなく、愛情表現だ。罪悪感も一切ない。逮捕されるなど青天の霹靂(へきれき)だから、本件のように再犯が止まらない。岩崎氏は「警察に頼むのもいいが、自分の始末は自分でつけるべき」と、被害者に厳しい注文をつける。
「被害者以外の人から警告されても『これは第三者に仕組まれたことだ』と思い込み、受け入れようとしない。心理カウンセラーなど同席のもとで被害者本人が、直接『二度と会いたくない。迷惑。嫌いだ。やめて』と濁さずにハッキリ言うこと」。もちろん、安全が保障された場所を用意する。
「DVを受ける人は、再婚してもDVを受ける傾向がある。かわいそうだけど、ストーカー被害者にも隙がある人が多い。気をつけて」と岩崎氏は付け加えた。
難しいことだが、初見で「おかしいかも?」と感じた相手には優しくするべきではないということか。
「高齢者ストーカー」が増加する背景
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