守護神不在は、短期決戦ではむしろ武器になり得るのか。ドジャースは27日(日本時間28日)、敵地でのジャイアンツとのレギュラーシーズン最終戦を延長10回の末に5―1で制し、100勝62敗で全日程を終了した。ナ・リーグ第2シードでワイルドカードシリーズを免除され、10月3日(同4日)からの地区シリーズへ向かう。
世界一3連覇を狙う中で不安材料の一つに挙げられるのが、ポストシーズン(PS)で9回を任せる絶対的ストッパーが固まっていないことだ。だが、地元有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」のビル・シェイキン記者は27日付の記事で「見た目ほど悪いことではない」と指摘。むしろ固定しないからこそ生まれる〝選択肢の多さ〟に目を向けている。
今季チーム最多25セーブを挙げたタナー・スコットは、29度のセーブ機会で25度成功。25、26日(同26、27日)にも連続で試合を締めた。ただ、地区シリーズで対戦する可能性があるブレーブス、フィリーズには左の強打者が並ぶ。左腕スコットを7、8回の勝負どころでぶつけるなら、9回に固定する必要はない。
そこで浮上するのが〝守護神の複数化〟だ。エドウィン・ディアスは右肘手術と首の故障で今季は18回2/3の投球にとどまったものの、負傷者リスト(IL)から復帰後の9月5試合では5回無失点、被安打1、17人の打者から9三振。同じ期間にスコットも5回無失点、被安打2、19人から9三振を奪っており、2人そろって上向いている。
昨年10月に救援へ回り、PSで3セーブを挙げた佐々木朗希も候補だ。エバン・フィリップス、ブロック・スチュワート、アレックス・ベシアらも控え、状況次第では先発陣を終盤に回すプランまであるという。
球団編成トップのアンドリュー・フリードマン編成本部長は「本当に信頼できる選手が何人もいる」と強調。対戦相手や先発投手の登板内容を見ながら、その局面で最も有効なカードを切る構えだ。デーブ・ロバーツ監督もディアスの復調を「本当に心強い」と評価しつつ、その役割についてはまだ決めていない。
その柔軟策には成功体験もある。フリードマン体制で世界一を決めた2020年、24年、25年の最終アウトを奪ったのはいずれも先発投手だった。20年はフリオ・ウリアス、24年はウォーカー・ビューラー、昨年は山本由伸。PSでセーブを挙げた投手も毎年複数おり、特定の一人に最後を託す形にこだわってこなかった。
9回の看板役が見えないことは、確かに不安を呼ぶ。だが、ドジャースにとっては「誰もいない」のではなく、「誰でも行ける」に近い。10月の勝負どころで相手打線に最も嫌な1枚をぶつけ続けられるなら、守護神不在は弱点どころか、王者ならではの〝変幻自在〟の切り札に変わる可能性すらある。












