ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の今後の動向に注目が集まるなか、海外メディアがモンスターの〝強さの秘密〟を特集した。
英専門メディア「ブリティッシュ・ボクシングニュース」は「井上尚弥のパンチ力は、なぜあの体格でこれほど並外れているのか」と題する記事を掲載した。
同記事では「井上尚弥の身長165センチ、体重は55キロ前後。この数字だけを見れば、純粋なパワーよりも、スピードと技巧に頼るボクサーと思われがちだ。しかし実際には『ザ・モンスター』は対戦相手の約90%をKOしており、そのKO率は、自分より30~40キロも重い選手に近い数値となっている。彼が力を生み出す仕組みには、明らかに通常の常識とは異なる何かがあるのだ」と記した。
続けて「『井上は見た目以上に筋肉質だ』という一般的な説明は、実際に起きていることを過小評価している。アナリストたちは、彼の力を『パワー密度』という観点から説明することが増えてきている。これは、選手の体重に対する力の生成量を指し、単なる体の大きさではなく、運動連鎖を最大限に活用することで築き上げられたものだ。簡単に言えば、フットワークから腰の回転、肩のトルクに至るまで体のあらゆる部分が連携して動き、その過程でエネルギーがどこからも漏れることがないのだ。これは、純粋な筋力というよりも、機械的な効率性を極限まで高めたものと言える」と解説した。
さらに「井上を綿密に分析してきたファイターたちは、単なる力強さよりもさらに繊細な点に注目している。それは、彼が1試合の中で意図的にパンチのスピードや威力を変化させているという点だ。序盤には軽くて速いパンチを繰り出し、相手に『このパンチなら対応できる』と油断させ、その直後に相手が全く予期していなかった一撃で突然威力を高めるのだ」などと指摘した。
その上で、同記事は「井上は、ライトフライ級からスーパーバンタム級に至る4つの異なる階級で、この同じKO率を維持してきた。その過程で体格を大きくしながらも、当初から彼を脅威たらしめていた効率性を失うことはなかった。この一貫性こそが、彼のパワーが決して体重計の数字に左右されるものではなかったことを示す最も明確な証拠である」と結論付けた。
井上の今後を巡っては、WBA世界バンタム級スーパー王者ジェシー〝バム〟ロドリゲス(米国)との対戦が計画される一方で、フェザー級転向も選択肢。上の階級でも強力パンチがさく裂するのか、注目だ。












