モントリオール世界映画祭で2冠に輝いた「ふしぎな岬の物語」や日本アカデミー賞を制した「八日目の蝉」などで知られる映画監督、脚本家の成島出(なるしま・いづる)さんが24日、死去した。65歳だった。28日、所属事務所・アンカットが発表した。
同社は「弊社所属 映画監督 成島出逝去のお知らせ」と題し、「弊社所属の映画監督・成島出(なるしまいずる)が、2026年8月24日、逝去いたしました」と発表。葬儀は故人の強い意向を尊重し、親族のみにて執り行ったことを報告した上で、「本人の遺志により、今後『お別れの会』等の開催予定はございません」とした。
同社は「生前、皆様には本当にお世話になりました。成島が遺した作品や活動を長く愛し、支えてくださったファンの皆様、出演者、関係者の皆様には、これまでのたくさんの応援や温かいお付き合いに、事務所一同、心より深く感謝申し上げます」と伝え、「弊社としましては、成島が情熱を注いだ作品とその想いを今後も大切に守り、伝えていく所存です」と決意をつづった。
成島さんは山梨県出身。駒澤大学文学部中退後、大学の映画サークルで1986年に監督した「みどり女」が「ぴあフィルムフェスティバル」に入選。審査員を務めた長谷川和彦氏と大島渚氏から「映画監督になれ」と背中を押され、映画監督になる決意をする。その後は5年間にわたり長谷川氏のもとで書生のように過ごしつつ、伝説の映画制作会社「ディレクターズ・カンパニー」に参加した。
94年に脚本家デビュー。「日本沈没」「クライマーズ・ハイ」など、スケール感のある話題作の脚本を次々と手掛けた。2003年、役所広司と柄本明がダブル主演した「油断大敵」で監督デビュー。10年の「孤高のメ」で日本アカデミー賞優秀監督賞を獲得すると、12年に「八日目の蝉」で同賞最優秀監督賞、最優秀作品賞をはじめ計10部門を総なめにする快挙を成し遂げ、名実ともに日本映画界を代表する監督へと掛け上がった。
14年の「ふしぎな岬の物語」では、第38回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリとエキュメニカル審査員賞の2冠に輝き、日本映画の魅力を世界へ発信。晩年も「ソロモンの偽証」「銀河鉄道の父」など名作を世に送り出し続けた。












