【夏のぬけがら/真島昌利(1989年)】
現ザ・クロマニヨンズのギタリスト、マーシーこと真島昌利の1stソロアルバム。THE BLUE HEARTSが人気絶頂の時期にリリースされてオリコン4位を記録した。マーシーは1994年まで計4枚のソロを発表しているが、キャリアを通じて文句なしの最高傑作である。
バンドでも「1000のバイオリン」「チェインギャング」「青空」などの名曲を手がけたマーシーは優れた詩人でもあった。同作ではそれらの曲でも発揮された独特の世界観、どこか冷めたセンチメンタリズムがアルバム全体を貫いている。
A面は夏の少年たちを描いた「夏が来て僕等」で幕を開けるや「クレヨン」「さよならビリー・ザ・キッド」「風のオートバイ」など切ないメロディーに喪失感や希望と絶望、甘酸っぱくも苦い感情を表現した見事なナンバーが続く。
B面は友部正人の「地球の一番はげた場所」で陽気に始まり、独特の諦観に満ちた「オートバイ」から、後に近藤真彦にカバーされた「アンダルシアに憧れて」と続き、まだ無名だった時期の焦燥感を切々と歌った「花小金井ブレイクダウン」でアルバムはひとつのハイライトを迎える。
その後、曲調は明るさを帯びて「カローラに乗って」から明日への希望を歌った「ルーレット」で幕を閉じる。音は穏やかな曲調が多く、とにかくマーシー独特の焦燥感と諦観に満ちた歌詞の数々は胸にズシリと突き刺さる。長い間、リマスターされていなかったが2017年にアナログ化された。ぜひレコードで聴いてほしい。夏が来るたびに聴きたくなる名盤だ。












