【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。お笑いコンビ「千鳥」の大悟さんが第79回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩き注目の的となりましたね。大悟さんは是枝裕和監督の新作映画「箱の中の羊」で綾瀬はるかさんとともに主演を務めました。大悟さんに役者の才能を見いだした是枝監督の慧眼にアッパレです! 一方に視線が向くことで、もう片方から注意がそれる現象をミスディレクションと言います。お笑いという才能が傑出している大悟さんだからこそ、今までその演技の才能が掘り出されることがなかった。大悟さんの役者の才能から目がそらされ続けていたことも、ある種のミスディレクションと言えるのかもしれません。
さて、そんなニュースに関連し、今週は劇中でミスディレクションが効果的に使用された新作映画「グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション」を紹介します。
スーパーイリュージョニスト集団「フォー・ホースメン」は不正や犯罪で私腹を肥やす富裕層から富を奪い、腐敗を暴く“正義の犯罪集団”。今作では新世代のマジシャンも加わり、世界を股にかけ史上最高価値のハートのダイヤを盗み出すというミッションに挑みます。
今作のポイントは、映画とマジックの相性の良さにあると感じました。ミスディレクションというのはまさにマジックの基本。観客の視線を別の場所に誘導して、他の場所で堂々とトリックを仕掛ける。それがこの映画では演出に取り入れられているんです。カメラが右を見てねと演出している間に、左側で誰かが着替えていたりとか。観客がこの人が犯人だと思っていたものが最後にひっくり返るとか。この映画の構造自体がミスディレクションで、作品全体が一つのマジックとして機能するという点が素晴らしかったですね。
観客参加型で楽しめるエンタメで、実験的な映画でありながら、スケールも非常に大きい。アントワープにアブダビ、ニューヨーク、南アフリカと物語の舞台は世界に広がっています。特にアブダビの砂漠なんてめちゃくちゃ豪華なセットを組んでやってましたね。もう見ているだけで楽しい。マジック映画であり、強盗映画であり、観光映画でもある。そんなワクワク感も秘めていました。
お金を奪うとかダイヤを盗むとか悪を暴くとか。いろいろな要素があるんだけど、本当に盗まれていたのは我々観客の視線、常識なのではないか。見えていたはずなのに、全く見えていなかったこの鮮やかな快感をぜひ劇場で味わってほしいです。












