「ニューヨーク/ルー・リード(1989年)」
1967年に「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」でデビューして以来、常に様々なアプローチで変化を続けてきた米国ロック界史上に残る詩人ルー・リード、後期の最高傑作である。
とにかくアルバムを貫いて自分の原点に回帰したようなギターサウンドが鳴らされる。過剰な演出はなくハードかつソリッドなロックンロールは、当時のニューヨークを詩的に表現しており、刺激的かつスリリングなサウンドになっている。
2本のギターによるリフを中心としたサウンドはシンプルそのもので、ルーのつぶやくようなボーカルが重なって独特の音世界を構築されており、ルーが「完全復活」を果たしたとリスナーや評論家たちから絶賛された。
1曲目の「ロミオ・ハド・ジュリエット」からヘビーなロックンロールが続き「ダーティ・ブルヴァード」「ゼア・イズ・ノー・タイム」などの名曲が立て続けに鳴らされる。
太いベース音が印象的な「ラスト・グレイト・アメリカン・ホエール」「グレイト・アドヴェンチャーのはじまり」などで緩急をつけながら、再びアルバムはロックンロールに戻り「シック・オブ・ユー」「ホールド・オン」、そして圧倒的な迫力に満ちた「ストローマン」へと続く。妖気に満ちた弦楽器が印象的な「ダイム・ストア・ミステリー」でアルバムは幕を閉じる。
実に56分40秒。一瞬も息をつく間もない奇跡的なロックンロールアルバムであり、今聴いても全く色あせることはない文句なしの名盤である。












