昨年11月に競技の第一線から退いたフィギュアスケート女子の元世界選手権覇者エリザベータ・トゥクタミシェワ(29)が、DV(家庭内暴力)問題について提言する演技を披露して注目を集めている。

 ロシアメディア「スポーツ24」は「フィギュアスケート世界チャンピオンのトゥクタミシェワは、ロシア・チャレンジ大会での自身の演技は、家庭内暴力の問題に捧げられたものだと述べた」と報じた。

 トゥクタミシェワは4日、ショー要素を混合させた国内大会に出場。審判と観客による投票形式で12位となった。

 そして、プログラムの内容が話題となっている。「歌詞を聴いているうちに、このプログラムのアイデアが浮かんだの。家庭内暴力の問題について演じようと決めたんです。このプログラムは、痛みを通しての愛について演じています。歌詞の一節を聴いてみてください。原曲ではかなり過激な表現になっています。その言葉が頭から離れませんでした」と吐露する。

 あえてこうした問題をテーマにした理由についてこう熱弁する。「私は(プロデューサーの)アベルブフに、普段あまり議論されないような社会問題を取り上げる企画を提案した。このプログラムは、有害な人間関係をテーマにした作品として宣伝されていたが、家庭内暴力の問題はそれよりもはるかに深刻だ。誰もがその違いを理解しているわけではないが、確かに違いは存在し、しかも非常に大きな問題だ。いまだに家庭内暴力に関する法律が制定されていないことが、私にとって非常に心配なんです」と熱い思いを明かした。

 さらに「私たちが思っている以上に、多くの女性がこの問題に苦しんでいます。これは世界的な問題で、世界中の女性が、この問題について話すことがどれほど無駄なことかを理解しているため、話すことを恐れています。まるで問題が存在しないかのように、誰もが見て見ぬふりをしています。それは非常に不公平だと思います。私は、家庭内暴力の被害者が見過ごされることをやめてほしい。彼らには声を上げる権利があり、保護される権利がある」と力説。

「もちろん、この話題がショー形式のトーナメントのスタイルにはあまり合わないことは理解していた。しかし、この問題は非常に深刻だと感じたので、注目を集める絶好の機会だと考えました」と提言の意味を込めて勇気ある演技を行った。

「私にとって、このことについて話すことは重要でした。私なりのやり方で。難しい話題についても話し合う必要があります。それが私たちにできる最低限のことです」とフィギュアスケートと社会貢献の結ぶ付きについて訴えていた。