日米首脳会談でどう対峙するのか。トランプ大統領が他国に対し、ホルムズ海峡への艦船派遣を期待していることに高市早苗首相は16日、米側から要請が来ていないとして「一切決めていない」と話した。海外には「日本側が拒否」と伝わり、政府が火消しに追われる事態となっている。
イランによるホルムズ海峡の封鎖に対し、トランプ氏は14日にSNSでフランス、中国、韓国、イギリス、日本に対し、船舶の護衛などのために艦船の派遣を事実上、要請した。15日には7か国と交渉中と話し、具体的な国名は明かさなかった。
あたかも決定事項かのように発言するトランプ氏に困惑しているのは高市政権だ。16日の参院予算委員会では自衛隊を派遣するか否かの質問が相次ぎ、高市首相は「法律の範囲内で日本関係船舶と乗員の命をどう守るか。何ができるか検討中だ」と答弁し、米側から正式に要請された場合は「各省庁で真剣に議論している。その中で最適な判断を行う」と苦悩の表情を浮かべた。
ところが「一切決めていない」との発言が海外メディアやSNSでは「拒否」のニュアンスで一斉に伝えられ、木原稔官房長官は「米側から具体的な派遣要請があるわけではない。それ以上のやりとりは控える。(拒否と伝わっていることには)政府の見解とは必ずしも一致しているものではない」と火消しに追われた。
高市首相は19日にトランプ氏と首脳会談を控える。会談内容は事前に双方で調整され、会談自体はセレモニーで終わるのが常だが、行動が読めないトランプ氏だけに、派遣を前提に話を進めてくる可能性がある。日本側は憲法上可能な選択肢を探っているが、トランプ氏を納得させるだけの答えはまだ出ていない。
英フィナンシャル・タイムズは、中国が米側の要請を拒否した場合、トランプ氏は今月末に予定している訪中を延期する可能性があると報じた。イラン側も日本の動向に目を光らせており、高市首相は厳しい判断を迫られることになる。












