女優の齋藤飛鳥(27)が、東京・国立新美術館で開催中の「テート美術館―YBA&BEYOND 世界を変えた90s英国アート」(5月11日まで)のアンバサダーを務め、アートの魅力を伝えている。2023年に乃木坂46を卒業後、女優やモデル、声優など多彩な活躍を見せながらも今後について、「ふざけたことも全然やりたい」と笑顔。「未知数なのが逆にワクワクする」という自然体の姿に迫った。

 同展は、1980年代後半から2000年代初期にかけて制作された英国美術に焦点を当てた展覧会。アンバサダーの齋藤は作品の詳細などを説明する音声ガイドも担当する。

 昔から美術館好きだったという齋藤は「何かを理解しようと思って見るというよりは、その作品が作られた理由や意図を自分の中で感じ取れたらいいなと思って見ています。パッと見て『この作品、好きだな』って思うものもあれば、深いところまで見て『すてきだな』って思う場合もありますね。あと、美術館ではたくさんグッズを買っちゃうタイプです。ちゃんと覚えておきたいので、記録として」と自身の美術館の楽しみ方を明かした。

 英国・ロンドンにある現代美術館「テート・モダン」も訪れたことがあるという。

 現地で鑑賞した数々の作品に思いを巡らせ、「若い世代が世の中のことをとても考えていて、自分の意見があって、それを恐れることなく表現している。刺激を受けますね。特別、好きな画家がいるとかではなかったんですけど、そうやって不意に行った時の方が得るものがあって、気づかされるものがすごく多かった」と振り返った。

 自身のアート経験について聞くと、学生時代に夢中になった図工や美術の授業を挙げ「版画が大好きでした」と回顧。「版画って、削ったら最後じゃないですか? 絵の具で上から重ねることもできない。『この削りが最後だ』って思いながら作る特別感が好きでした。私は結構、生命力のある作品が好きなので、自分でも大胆な感じのものを作っていたと思います」と明かしたが、「成績は別に良くなかったですね」と苦笑した。

 同展で音声ガイドも担っている。公開中のアニメ映画「クスノキの番人」で声優に初挑戦すれば、女優としても、現在放送中のNHKドラマ「テミスの不確かな法廷」で、キーパーソンとなる吉沢亜紀役として出演。極めて多忙な日々を送るが、齋藤の表情は穏やかだ。

「今までやってきたことを生かしながら、他の道にもふらっと行ってる感じ。純粋に楽しく活動してます。平和ですね」と頬を緩めると「ふざけたことも全然やりたい。変なグッズとかも出したいですし。地味だけど、役に立つもの。テーブルの靴下とか…意外と良いじゃないですか?」とおちゃめに笑った。

 自然体で築いていく今後のキャリアが楽しみだが、今でも芝居やトークは「基本的に苦手」と本音も。それでも「苦手でもやっていて楽しいですし、好きなことなんです。好きで得意なことに取り組むより、未知数なので逆にワクワクする。そういうふうにネガティブな気持ちをうまく利用する方が賢いのかなと思います」と真っすぐな瞳で語った。

 さいとう・あすか 1998年8月10日生まれ、東京都出身。2011年、乃木坂46に1期生として加入。中心メンバーとして活動し、23年5月にグループを卒業。現在は女優、モデル、タレント、声優など多方面で活躍している。