人見知りで、不器用で、それでもステージから逃げなかった――。HKT48チームKⅣの4期生・地頭江音々(ぢとうえ・ねね=25)は、約9年半の活動の集大成として11日の卒業コンサートに臨み、アイドル人生に区切りをつけた。選抜落ちやコロナ禍など、思うように進まない時間も重ねながら歩んできた道のり。その先で選んだ「卒業」という決断に、何を思い、何を残そうとしているのか。今の胸中を、本紙が直撃した。
――卒業という区切りを迎えた今、率直な気持ちは
地頭江 9年半やり切ったな、という気持ちはあります。卒業を決めた時点では悔いはないと思っていましたが、発表してからの半年以上で、まだできることがあったのかな、と考えることもありました。それでも卒業コンサートまで全力で駆け抜けられたことで、自分の中ではやり切ったと思えています。
――HKT48で過ごした時間で、これだけは誇れると思える部分は
地頭江 ひたむきに努力を続けてきたところです。私は才能型ではなく、完全に努力型だと思っています。何回も練習して、少しずつできるようになる。その積み重ねが好きでしたし、新しいことができるようになる実感が楽しかった。地道にコツコツ続けてきたから今があると思います。
――自身で人見知りな性格だと言っているが、アイドル活動の中ではどんな影響があった
地頭江 影響しかないです(笑い)。最初は握手会の対応も分からず、どういう対応が喜ばれるのかも分かりませんでした。先輩との距離の縮め方も分からず、劇場公演のMCでも何を話したらいいのか悩んでいました。「対応が良くない」と言われ、握手会が苦手になった時期もあります。でもHKT48は、先輩や後輩が無理やりでも近づいてきてくれる場所でした。人見知りな私でも受け入れてもらえた環境だったから、続けてこられたと思っています。
――選抜に入れなかった時期も経験している
地頭江 加入してすぐ選抜に入れていただいた分、そこから外れた時期はすごく長く感じました。3年近く戻れない時期があり、復帰できたと思ったらコロナ禍で、ファンの方とも思うように会えない時間が続きました。その中でも、どう前に進めるかを考え続けていました。
――活動の中で、強く心に残っている出来事は
地頭江 一番強く覚えているのは、矢吹奈子さんの卒業コンサートです。指原莉乃さん、田島芽瑠さん、朝長美桜さん、兒玉遥さん、村重杏奈さんと、加入前からHKT48を支えてきた先輩方がステージに並んだ瞬間、会場の空気が一気に変わりました。同じ楽曲を昼公演で私たち現役メンバーも披露していたのに、夜公演ではファンの熱量がまったく違っていて。必死に頑張ってきたつもりでも、先輩たちの存在がそれ以上にファンを沸かせている。その現実を突きつけられたようで、悔しくて、その場で泣いてしまいました。でも同時に「ここまでの存在にならなきゃいけないんだ」と思えた、大きなきっかけでもありました。
――初センターを務めた「半袖天使」と、卒業という選択をどう受け止めているか
地頭江 センターに選ばれる前から、卒業については考えていました。センターになったから卒業を決めた、という順番ではありません。卒業を決めていたタイミングでセンターのお話をいただき、正直すごく悩みましたが、ここで引いたら一生後悔する気がしました。最後に全力でやり切ろう、と覚悟を決めて挑んだシングルです。
――グループの中で、どんな役割を担ってきたか
地頭江 同期にセンターやキャプテンがいる中で、自分に何ができるのかを考えてきました。気づいたら、周りを見て支えることを自然とやっていた気がします。結果として、そういう立ち位置に落ち着いた感覚です。
――後輩たちへ、今だからこそ伝えたいことは
地頭江 5期生は、同じ時代を一緒に苦しんできた仲間なので、とにかく楽しんでほしいです。6期生には「ごめんね」と「ありがとう」の気持ちが強いです。想像以上のものを背負わせてしまった世代ですが、本当に大きな成長を見せてくれました。7期生には、思いっ切り頑張ってほしい。先輩たちに遠慮せず突き上げていってほしいと思っています。
――卒業後について、現時点で考えていることは
地頭江 正直、まだ何も決まっていません。でもそれが今は楽しみです。10年近く、一つのことを続けてきた経験は、これから先の人生で大きな自信になると思っています。
――9年半の活動の中でファンの存在とは
地頭江 押し上げてもらった、という気持ちが一番強いです。選抜に入れなかった時期も、コロナ禍で思うように活動できなかった時も、全部を肯定してくれた存在でした。本当に感謝しています。
――最後に、ファンへ伝えたいことは
地頭江 寂しがってくださる気持ちはうれしいですが、私はやり切って前に進みます。9年半、たくさんの思い出を一緒につくってくださってありがとうございました。その時間が、皆さんの心の中に残ってくれたらうれしいです。














