元宝塚歌劇団星組トップスターで女優の紅ゆずるが9日、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで行われた大阪国際文化芸術プロジェクト「姫が愛したダニ小僧」(18日まで)のゲネプロ後に取材会に出席した。

 劇作家・後藤ひろひと氏が1998年に書き下ろした名作で、紅は老人ホームの入所する老婆「すみれ姫」を演じる。

 物語は、廃ビルで投身自殺を図る男(浦井のりひろ・男性ブランコ)と廃ビルに住みつく男(後藤氏)とのテンポの良い掛け合いからスタート。そして老人ホームを脱走した車いすのすみれ姫が、行く先々で昔の家来と出会い、凶悪なホーム職員から逃げる。劇中では俳優が客席に下りて観客と触れ合う場面もある、参加型のコメディー作品だ。

 ゲネプロを終え、手応えを感じた様子の紅は「客席の笑いの間というのがお芝居に組み込まれて、一つの作品ができあがると思っています。毎回(お客さまに)挑んでいきたい」と意気込み。さらに同作について「台本を読んで映画『ビッグフィッシュ』に似ているなと思いました」と話した。

 自身が演じる〝すみれ姫〟について「私の役は、ホラを吹いているわけでは一切ないんですけど、認知症的な感じで『何を言ってるんだろうな』というところから、どんどん登場人物が出てきて『本当だったんだ』となるんですが、本当だったのかは、お客さまの感じ方。正解がない」と説明した。

 最後に、後藤氏は「20年前にも、この劇場でやったんです。その時のキャストが3人残っています。今回、すばらしいメンバーに集まっていただいたんですが、20年前にやってた人の奮闘もぜひ見てほしい。前に見た人も、もう1回見てほしい」とアピールした。