“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、今年の漫才日本一決定戦「M―1グランプリ2025」で決勝進出し、強烈な印象を残した女性コンビの芸人人生を振り返ってみた――。
気付けば日本を代表する女性コンビになっていました。
【プロフィル】
コンビ名‥ヨネダ2000
所属事務所‥吉本興業
養成所‥NSC東京校23期生
写真左‥誠
本名‥清水亜真音
生年月日‥1999年3月25日
写真右‥愛
本名‥河田愛
生年月日‥1996年9月19日
M―1決勝でヨネダ2000は、「ドリブルをあややが邪魔をする」というネタを披露。9位という結果以上に強烈な印象を残しました。今年は3年ぶりに決勝に返り咲きましたが、実は結成からまだ5年しかたっていない。それなのに「久々に決勝に勝ち進んだ」と思わせる。これほどスピード出世したコンビは、男性芸人を含めてもほとんどいないと思います。
ただこのコンビ、ヨネダ2000として活躍できるまでには紆余曲折がありました。2人はNSC東京校23期の同期で、まず2018年に2人でギンヤンマというコンビを組み、2年ほど活動。さらに男性芸人を加えたトリオ・マンモス南口店として活動を始めましたが、すぐに解散し、20年にヨネダ2000としてコンビを復活させました。
ヨネダ2000を組んだ当初は、本名の清水亜真音、河田愛として活動していましたが、22年5月に出演した「ダウンタウンDX」で松本人志さんに命名してもらい、芸名をそれぞれ「誠」「愛」に改名した。自ら松本さんに「名前をください!」と言えるのはすごいと思います。
コンビ結成↓トリオ結成↓コンビ再結成↓改名など、普通なら20年くらいはかかる波瀾万丈の芸人人生ですが、ギンヤンマ結成から考えるとこの2人はわずか7年で経験している。しかも勢いは衰えるどころか増すばかりです。
M―1では結成した20年こそ1回戦で敗退しましたが、翌21年に準決勝に進出すると、22年には決勝に勝ち進み強烈な印象を残しました。
漫才の内容は“メトロノーム漫才”とでも言ったらいいのでしょうか? ネタ中に1人が一定のフレーズを言い続け、もう1人がそのリズムに乗って展開。後半になるにつれ登場人物が増え、設定が複雑になることでスピード感を感じる作りになっている。でもテンポは、ずっと同じスピードなのです。
M―1だけでなく、他の賞レースでの実績もすごい。女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、21年に決勝進出。22年には準優勝という結果を残しました。特筆すべきは、「THE W」ではコントを披露していること。M―1では漫才で決勝に進んでいるのに、コントでも完成しつつある。これはとんでもないことなのです。
言ってみれば、東京タワーができて驚いていたら、もう一つ同じくらいの大きさの別の建物が建っていたぐらい、という感じでしょうか? 実際にキングオブコントでも準決勝に進んだことがあります。他の実績がすごいので、キングオブコント準決勝進出がかすんでしまうのがヨネダ2000のすごさです。
これだけでも「すごいなー」と思っていたら、「ABCお笑いグランプリ」でも22、23年と決勝進出。さらにR―1グランプリでも、23年に愛さんが準々決勝、誠さんが準決勝に進んでいる。もうお手上げレベルのすごさじゃないでしょうか。
ヨネダ2000の笑いは、常に時代より少し先を走っているように思います。ランジャタイ、真空ジェシカなども同じタイプだと思いますが、お客さんをやや置いていきながら笑いを取っていく。その価値を感じるファンを獲得しているのでしょう。
ヨネダ2000の代表的なネタは、「どすこい、どすこい、どすこい…」「ぺったんこ、ぺったんこ、ぺったんこ…」「YMCA寿司」などがあります。普通の芸人が15年かけてもたどり着けるか分からないようなネタを次々と完成させているのはとんでもないこと。来年以降、どこまで上り詰めるのか、楽しみです。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












