結成15年以内の漫才日本一を決める「M‐1グランプリ2025」の決勝戦が21日、東京・六本木のテレビ朝日で行われ、たくろうが優勝。賞金1000万円を獲得した。事前に注目された霜降り明星・粗品と笑い飯・哲夫のバトルに触れられることはほとんどなかった。これにはM‐1と「THE W」のレベルがあまりに違うことが影響したと見られている。

 今年のM‐1決勝戦のファーストラウンドでは、1位が870点のエバース、2位が861点のたくろう、3位が845点のドンデコルテとなり、この3組が最終決戦に進んだ。

 最終決戦は1番目がドンデコルテ、2番目がエバース、3番目がたくろうという順でネタを披露した。9人の審査員の投票で、8票を集めたたくろうが1票のドンデコルテ、0票のエバースを退け、たくろうの優勝が決まった。

 ただ今年のM‐1決勝で、事前に最も注目されていたのは審査員を務める笑い飯・哲夫だった。哲夫は、日本テレビ系で13日に生放送された女芸人No.1決定戦「THE W 2025」でも審査員を務めたが、霜降り明星の粗品がコメントを5回求められたのに対し、哲夫は2回しか求められなかったことにラジオ番組で不満を口にしたところ、粗品から「ダサすぎ」と反論され、話題になった。

 それだけにM‐1での哲夫のコメントに注目が集まったが、粗品に触れたのは出場者の漫才が始まる前だけだった。番組の冒頭、司会の今田耕司がそれぞれの審査員にコメントを求めるくだりで、哲夫の順番を飛ばし「フットボールアワー後藤くん」と呼びかけた。これに哲夫は「ちょっと、いま注目の人や! ネットニュース、僕のことしか書いてない!」と大声で話した。

 さらに「武智くんと久保田くんが僕の審査に苦言を出した?」「粗品に電話して『久保田と武智がなんか言ってたんか?』って聞いてみました」などと粗品との騒動をネタにした。

 ただ、いざ本番が始まると、哲夫も含めて粗品のような〝辛口審査〟はほとんど見られなかった。これは粗品と比べて審査コメントが甘いというよりも、「THE W」と比べてM‐1のレベルが高すぎるため、辛口になりようがなかったのだ。

 実際に今年のM‐1は例年以上に盛り上がった大会となった。優勝候補と目された5年連続決勝進出の真空ジェシカが4位、3年連続のヤーレンズが5位といずれもファイナルステージ進出を逃すという波乱の展開になった。

 さらにファイナルステージでは、2年連続の決勝進出で優勝候補の一角と言われ、ファーストステージで圧倒的な1位だったエバースには1票も入らず、たくろうが9人中8票を集める圧勝。審査員を務めたアンタッチャブル・柴田英嗣が「たくろうの2本目は100点付けてもいいくらい」と絶賛するほど、レベルの高さを見せつけた。

 そもそも粗品の辛口審査は、低視聴率で打ち切り寸前と言われていた「THE W」を盛り上げるため、番組サイドが仕掛けた〝演出〟。昨年には史上最低となる平均世帯視聴率6・6%(今年は6・7%、いずれも関東地区)という〝危険水域〟まで落ち込んだだけに、粗品という〝劇薬〟を持ち込んだと見られている。

 これに対しM‐1の視聴率は絶好調。昨年の平均世帯視聴率は関東地区が18・0%、関西地区では実に25・5%という驚異の数字をたたき出していた。

 こんな状況では、粗品の辛口審査のような〝劇薬〟が生まれなかったのは当然と言えそうだ。(視聴率はビデオリサーチ調べ)