「声が聞きやすいね」――。中学生の頃にかけられたひと言が、九州朝日放送(KBC)岡田理沙アナウンサー(31)の原点だ。兵庫・尼崎出身。伊丹北高、甲南大を経て2017年入社で「アサデス。KBC」や「アサデス。ラジオ」などを担当する。就職活動で多くの局を受けながらも苦戦を経験し、それでもつかんだアナウンサーの道。これまでの歩みと素顔を聞いた。

KBCのロゴを指さす岡田アナ
KBCのロゴを指さす岡田アナ

 ――アナウンサーを志した原点と、影響を受けた存在は

 岡田 中学生の頃、近所の駄菓子屋さんの方に「理沙ちゃんの声はすごく聞きやすい」と言っていただいたのがきっかけです。それまで自分の声があまり好きじゃなかったんですけど、そのひと言で好きになりました。そこから声を使う仕事を意識するようになりました。高校生の頃には、関西ローカルの「おはよう朝日です」(朝日放送)に出演されていた喜多ゆかりさんを見て、こんなアナウンサーになりたいと思いました。すごく面白くて場を盛り上げるのに、ニュースになると一気に落ち着いた口調に切り替わる。そのギアチェンジがかっこ良くて、憧れの存在でした。

 ――学生時代から就職活動までの流れは

 岡田 大学時代は大阪のアナウンススクールに通いながら、お金をためるためにアルバイトをしていました。中でもお見合いパーティーの運営のアルバイトは、会場準備から司会進行、結果発表まで全部任されていて、どうしたら聞いてもらえるかを常に考えてやっていました。その経験は今の仕事に近いと思います。就職活動では北海道から鹿児島まで受けられるところはほぼ受けて、30社ぐらい受けましたが、アナウンサー試験は全滅でした。ためたお金も使い切って、この先どうしようと思っていた時にKBCの試験が始まって、ここでダメだったらもうやめようと思っていました。

 ――内定時の思いは

 岡田 電話をいただいた時は本当に涙と鼻水が止まらなかったです(笑い)。ここで決まらなかったらどうしようと思っていたので、本当にうれしかったです。

 ――新人時代から現在までの変化は

 岡田 入社してすぐ「アサデス。KBC」を担当することになりました。初鳴きの時もかなり濃いメークをしていただいた状態で出演してしまって、テレビに映った自分を見て「これは違う」と思いましたし、おかめさんのような顔になってしまっていて(笑い)、同期6人全員から「メーク濃過ぎ」とツッコまれました。それ以降は自分でやるようになりました。今は自分の仕事を自分で振り返って、何が良くなかったのか、どうすれば良かったのかを考えるようになった。

 ――生放送の現場で印象に残っている出来事は

 岡田 流れるはずのVTRが届かないことがあって、30秒でも長いのに3、4分もスタジオでつなぐことになって…。スタジオにいたみんなでどうにかしゃべり続けていて、その間ずっと「まだかな」と思っていたんですけど、最後の最後でなんとか届いて、その後流すことができました。本当にひやひやしました。

 ――印象に残っている人物は

 岡田 元ソフトバンクの和田毅投手です。野球が分からない状態でスポーツコーナーを担当していたんですけど、分かりやすい言葉に言い換えてくださったり、自然にフォローしてくださって、本当に気遣いの方だなと思いました。私が分からないことを分からないままにさせないというか、でもそれを表に出さない形で支えてくださって、すごくすてきな方だなと思って、そこからずっと応援しています。

 ――福岡での生活と印象は

 岡田 とにかく暮らしやすいです。兵庫と規模感も似ていますし、食べ物も本当においしくて、どのお店に行ってもハズレがないです。糸島のかき小屋にも毎年行っています。関西との違いでいうと、バスの並び方が最初はびっくりしました。関西だと順番を守る意識が強いんですけど、福岡はそこまで気にしないというか、次々にバスが来るからこそ並び方も独特だなと感じました。

 ――プライベートの変化は

 岡田 昨年オカメインコの「ピピ」が天国へと旅立ってしまって、その後犬と猫を飼い始めました。ポメラニアンの「マリー」と、ブリティッシュロングヘアの「ルナ」です。生活の中心がガラッと変わって、毎日すごくにぎやかになりました。マリーは本当に元気で、帰ると大喜びしてくれて、ルナは逆にすごく落ち着いていて賢いです。2匹の存在で生活が大きく変わりました。

岡田アナの愛犬マリーと愛猫のルナ(本人提供)
岡田アナの愛犬マリーと愛猫のルナ(本人提供)

 ――結婚後の変化は

 岡田 2022年4月に結婚して、夫という絶対的な味方ができた感覚です。血のつながりがなくても、これだけ信頼できる存在に出会えるんだなと実感しています。

 ――フリー転身についての考えは

 岡田 考えていません。多くの局を受けて、アナウンサー試験は全滅だった中で、自分を必要としてくれた会社なので、裏切りたくないという思いが強いです。育ててもらった分、どう還元していくかを考えたいと思っています。

 ――今後挑戦したいことや将来の目標は

 岡田 報道番組やバラエティーにも挑戦してみたいです。芸人さんと一緒に仕事をすることで学べることも多いと思うので、そういう現場にも行ってみたいです。「アサデス。KBC」にも長く関わっていきたいです。体にガタがくるまで、番組に携わり続けたいと思っています。

アサデスポーズをする岡田アナ
アサデスポーズをする岡田アナ