女芸人No.1決定戦「THE W 2025」が13日、日本テレビ系で生放送され、「ニッチェ」が9代目女王に輝いた。ただ世間の注目を集めたのは、初めて審査員を務めた「霜降り明星」の粗品。厳しいコメントを連発し、大きな話題となった。当たり障りのないコメントが目立つ最近の地上波で、あえて粗品という〝劇薬〟を起用したのは「THE W」が今年で打ち切りになる危機にあったためだという――。

 粗品は最初の審査で「ちょっと長くしゃべっていいですか」と切り出し、他の審査員よりも明らかに長くコメントした。トップバッターのもめんとに対しては「前半がフリにしてもおもんなさすぎ」とブッタ斬った。

 その後もとんでもあやに対し「正直このネタも、とんでもあやが考えてない部分、多いやん?」と、普通なら触れないところに言及。さらに「普段、質の悪い客の前でしかネタを試せてない」と言われたエルフの荒川が「Wから出て行ってくれませんか! 迷惑なんです」と言い返す一幕もあった。

 番組の最後にも粗品は「賞金1000万にしてはレベルの低い大会やった」と話すなど、今年の「THE W」は完全に〝粗品一色〟となった。

 これに対し、ネット上では「言ってることは的確」と肯定する意見もあれば「さすがに失礼」などと、否定的なものなど、賛否両論の意見がネット上に書き込まれ、話題を集めた。

大会中、粗品の審査に不満を隠さなかった後輩のエルフ・荒川
大会中、粗品の審査に不満を隠さなかった後輩のエルフ・荒川

 とはいえ粗品が厳しい審査をすることは、番組サイドも事前に分かっていたこと。粗品は番組終了後、自身のYouTubeチャンネルで「オファーの段階から『面白くないものには、面白くないと言いますよ』と(伝えた)」と、番組サイドに事前に伝えていた。これに対し、番組サイドは「全部、いいですよ」と了解していたと明かした。

 コンプライアンスが重視される昨今、スポンサーの意向が強いと言われる地上波放送は、ありきたりなものになりがち。そうした中で粗品という〝劇薬〟を投入したのは、「THE W」が存続の危機にあったためとみられている。

「THE W」が始まったのは2017年。漫才やコント、一人芸の大会がある中「女性のみ」という新たなお笑い賞レースを日本テレビが創設した。物珍しさもあったのか、初年度の平均世帯視聴率は13・1%を記録したが、徐々に下がっていき、21年以降は1ケタ台に。さらに昨年には史上最低の6・6%という〝危険水域〟まで落ち込んでしまったのだ。

 低迷の原因については、粗品も指摘していたようにレベルの低さが挙げられる。

「M‐1グランプリやキングオブコントでは準決勝にも残れないような芸人が『THE W』では決勝まで上がってくる。もちろん女芸人の中にも面白い芸人はいるが、女性と限定して男性が出られない時点で出場者が極端に少なくなるので、レベルが下がるのはどうしても避けられない」(お笑い関係者)

 さらにコンプライアンス重視の時代においては、出場者を女性に限定するのは「逆に差別になる」という見方もある。「数字が取れない上に差別との声も上がれば『そこまでしてやる必要はない』という意見が出るのも仕方がない」(同)

 もはや打ち切り寸前の状況に置かれていた「THE W」が、存続のために打った〝劇薬〟が粗品だったというわけだ。実際にその狙いは的中し、粗品の審査は大きな話題となった。

「粗品の審査を見たい」という声が大きくなれば、来年以降も「THE W」が存続する可能性は高まったと言えそうだ。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)