すでに〝大関相撲〟だ。大相撲九州場所9日目(17日、福岡国際センター)、新関脇安青錦(21=安治川)が幕内平戸海(25=境川)を寄り倒して8勝目(1敗)。勝ち越しを決め、優勝争いでも首位を1差で追走している。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(41=本紙評論家)は、安青錦の相撲内容を徹底分析。「実力的に横綱の次に位置している」と太鼓判を押した。
安青錦が、盤石の相撲内容で勝ち越しを決めた。平戸海の突っ張りを下からあてがうと、素早く左上手を引いて相手に体を密着させた。その後は切り返しで崩しながら、最後は寄り倒して快勝。取組後の支度部屋では「下から攻めることができた。その流れで前みつをつかめたし、悪くなかった。(切り返しで)崩せなかったけど、そこから次の技を出せたので良かった」とうなずいた。
この日の安青錦の取組を、秀ノ山親方は審判として土俵下から見守っていた。「立ち合いで平戸海に押されて、上体を起こされかけても慌てなかったですよね。しっかりとアゴを引きながら前に出た。相手の上体を浮かせながら、左前みつを取る攻めも速い」と分析。「前傾姿勢が崩れず、下半身に全くブレがない。安青錦にしかできない相撲を取り切った」と絶賛した。
9日目での勝ち越しは、幕内2場所目と同じ自己最速ペース。新小結だった先場所よりも、1日早い。ただ、安青錦は「気にしていない。ここから長いので」と意識せず。あくまでも通過点と位置づけている。優勝争いでは、全勝で単独首位の横綱大の里(25=二所ノ関)を1差で追走中。三役2場所目ながら、すでに〝大関のオーラ〟をまとっている。
秀ノ山親方は「名古屋場所で優勝を逃した経験を含めて、重圧の中で自分の力を出し切るすべをつかんだのでは。今場所は浮ついたところがなく、淡々と仕切っている。自分のスタイル、下からはね上げて重心を低く攻めれば押されることはないという自信があるんだと思う」と指摘する。その上で「相撲内容を見ても、有無を言わせない強さで勝っている。実力的に2人の横綱(大の里、豊昇龍)の次に位置しているほど、抜けている印象。存在感もあるし、大関の地位に近づきつつある」と太鼓判を押した。
安青錦は「焦らず一日一番、しっかり自分らしい相撲を取っていきたい」と残り6日間に向けて、気持ちを引き締めた。今場所後かどうかは別にして、もはや大関昇進は時間の問題と言えそうだ。












