“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は先日行われた女芸人ナンバーワン決定戦「THE W 2025」の2回戦で、新道が一番面白いと感じ、準決勝に進出した女ピン芸人を紹介する――。
【プロフィル】
芸名‥とんでもあや
事務所‥SMA NEET Project
生年月日‥1975年9月5日
デビュー‥2014年
2回戦のネタで何が面白かったのかというと、あまり見たことのない表現であること、見たことのない歌ネタを披露されていたこと。そして賞レースの予選なのに、前半から飛ばして笑いを取ろうとしないところがすごかったです。
なんだったら前半は笑いがなかった。しかし時間とともにジワジワ来て、後半は爆笑になっていくのです。とは言っても、戦略的に構成を組み立てているような、そんな技巧派のネタにも見えません。何より見ててワクワクするネタでした。
とんでもあやさんは、以前このコラムでも紹介した女性コンビ・あっぱれ婦人会のメンバーとして活動しておりました。しかし昨年1月に解散。その後はピン芸人として活動してきました。
芸歴や年齢、経験値は高いとはいえ、コンビを解散してから面白くなるスピードがすごかったです。とんでもあやさんは、コンビを組む前にもピン芸人でしたが、その頃はコントをしていて、今の芸風とは全く違いました。
2回戦で私が面白いと思った通り、「THE W」では準決勝に勝ち進みました。個人的には決勝進出の期待を持って楽しみにしております。そしてさらに面白いのが、あっぱれ婦人会の元相方である天野裕加里さんも勝ち上がっているんです。
天野さんは現在、新たに南天という女性コンビを組んで漫才をしています。南天は今年、M―1グランプリでも3回戦に進出。「THE W」では、元コンビの同時決勝も期待できそう。そんなとんでもあやさんに話を聞いてみました。
――お笑いを始めたきっかけは
「もともと劇団にいたのですが、キャストに選ばれなくて裏方ばかりやっていたので舞台に立ちたくて。お笑いのエントリーライブだったらお金を払えば舞台に立てると思ったから」
――いろんなバイトをやったそうですが
「工場、新聞配達、ウエートレス、保育園手伝い、水道メーター検針員などをやりました」
――ネタの作り方を教えてください
「いろんな先輩のネタを見たり、歌ネタはなんとなくシャワー浴びると浮かんでくる」
――影響されたお笑い番組、芸人は
「昔やってたTBSラジオ『たまむすび』の、山里亮太さんが出る火曜日が好きでした」
――同期は誰?
「にぼしいわしさんだと思います」
――「THE W」に対する思いは
「1000万円取りたい!」
――将来の目標は
「芸人でご飯が食べられること」
――お笑いに関する今後の目標は
「ネタもトークも面白くなりたい。模索中」
とんでもあやさんは、あっぱれ婦人会を組む前のピン芸人の頃から面白く、ウケていました。でも面白い人が売れるとは限らないと思わされるほど、なかなか売れませんでした。
分岐点はあっぱれ婦人会での活動だと思います。「THE W」では2021年に初めて準決勝に進み、22年の「おもしろ荘」にも出演をされるなど、やっぱり面白い人は売れていくんだと思わされました。
だが昨年、コンビを解散し、またゼロからやり直し。あっぱれ婦人会の活動で見える景色が変わったのか、解散後のピンネタの作り方もガラッと変わりました。先輩と一緒に行った営業でピンネタをする機会をもらったりしたこともネタ作りに影響したのかもしれません。と言うのも「THE W」2回戦で見せたとんでもあやさんのネタは、営業で見ても楽しめる、みんなが幸せになれる新しいネタでしたから。
もし決勝に進めば、あぁ~しらきさんや牧野ステテコさんのように話題になるネタをやっているのは間違いありません。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。













