ドジャース・佐々木朗希投手(23)のメジャー復帰の道が険しくなっている。マイナー調整中の右腕は2日(日本時間3日)に3Aシュガーランド戦に先発。初回に2被弾するなど4点を失った。予定の5イニングを投げ切ったが、メジャー復帰を後押しする投球を披露することができなかった。

 当然チーム内外から厳しい指摘が上がり、ロサンゼルス・タイムズ紙のジャック・ハリス記者は3日(同4日)に自身のX(旧ツイッター)で「ロバーツ監督は昨夜の佐々木のパフォーマンスがチームの期待にまだ達していないと述べた」と投稿。その上で「チームは彼の次のステップをまだ検討中で、現在のところメジャーに復帰させる計画はない」と伝えた。

 佐々木は右肩のインピンジメント症候群のため、5月に負傷者リスト(IL)入りし、長いリハビリを経て先月14日に実戦復帰。ここまで3Aのマイナー4試合に投げて0勝2敗、防御率7・07と苦しんでいる。離脱前もメジャー8試合に登板して1勝1敗、防御率4・72。球速低下や制球難が影を落としていたが、今も思うように球速が戻らず、本来のパフォーマンスからはほど遠い状態だ。

 8月末のメジャー復帰もささやかれていたが、取り巻く状況は実に厳しい。そんな中、米メディア「ファンサイド」は冷静な視点で今に至る顛末を指摘している。執筆者は、全米スポーツメディア協会の2023年度最優秀若手記者に選出されたウィンストン・ウィルコックス氏。記事は「ドジャースが佐々木朗希の負傷について知らなかったことは、彼の最大のミスを浮き彫りにするだけだ」というタイトルで配信された。

 同氏は「佐々木は昨冬にドジャースと契約した際、賢明な選択ではなく、大胆な決断をした。彼は強力な投手陣に加わり、ローテーションに定着する方法を見つけなければならなかった。ドジャースは佐々木が将来有望な選手であることを知っていたにもかかわらず、彼の準備期間を急がせようとした」と指摘。その上で「佐々木が、最終盤で彼を必要とする球団ではなく、彼をより育成できる体制が整った球団に移籍すべきだったことを証明している」と主張した。 

 佐々木が世界的有望株であることに疑いの余地はない。だが、ドジャースという球団は毎年世界一を狙う特別なチーム。能力を発揮するまで悠長に待つ環境にない。「ドジャースは我慢できる立場にない。必要と感じれば、彼をより即戦力となる投手に容易に転向させることができる。彼が準備が整うまでマイナーリーグにとどめておくつもりはないだろう。これは、大都市圏でのプレーが誰にでも向いているわけではないことを改めて認識させてくれる。佐々木はまさにそのことに気づきつつあり、少なくとも今のところは彼のMLBキャリアの軌跡を変える可能性がある」とつづったウィルコックス記者。戦う準備が整っていない中で、世界一競争力の激しいチームに加わることはリスクが大きい。令和の怪物の試練は続く。