学歴詐称の疑いが指摘された静岡県伊東市の田久保真紀市長に対する不信任決議案が1日開かれた定例市議会に提出され、全会一致で可決された。

 元逗子市長で、現在「長島法務コンサルティング行政書士事務所」代表行政書士の長島一由氏は「市長は約123万円以上得をするけど、市民は4500万円損をするというスキーム!?」と独自の分析をした。

 長島氏は「想定されたとおり、議会は市長を刑事告発したほか、第1回目の不信任が全会一致でようやく可決されました。地方自治法の規定により田久保市長は10日以内に、市長を自動失職するか、議会を解散するか。この二つの選択に迫られることになりました。田久保市長が市議会を解散すると、選管によれば約4500万円(R5決算ベース)のお金がかかるということです」と語る。

 市議会が解散された場合は、40日以内に市議会議員選挙が行われるため、10月上旬には市議会議員選挙が行われることになる。

「その後、新しく選ばれた市議会議員が構成する市議会で、3分の2以上の議員が出席し過半数が賛成し、再び不信任決議され通知があった場合、首長は失職することになります。そうなると今度は50日以内に出直し市長選挙が行われます。その時期としては議会日程にもよりますが、一般的に11月になることと思います」

 兵庫県知事選挙で不信任を食らって出直し首長選挙に勝つという、まさかの前例を斎藤元彦知事が作った関係上、そんな圧倒的な不利な状況でも絶対はないというのが選挙だ。

「しかし、伊東市の今回の経歴詐称疑惑の場合は、議会側には落ち度があるとは思えず、田久保市長が市議会を解散し、出直し市議会議員選挙をやったとしても、仮にひとりやふたりの入れ替えはあったとしても、大幅なメンバーチェンジは予想しにくいです。そうなると、出戻りしてきた新たな市議会のメンバーに10月上旬には田久保市長は二度目の不信任を可決されて失職する可能性は濃厚です」

 つまり、どのみち辞める市長になる可能性が高いという今回のケースでは、田久保市長が議会を解散せず、10日以内に自ら身を引けば、余計な市議会議員選挙費用の4500万円は節約になるということだ。

 長島氏は「もし、田久保市長が議会を解散し、自らの延命を選択した場合は、少なくとも田久保市長の1か月分の報酬85万5000円と退職金加算分38万4250円の合計123万9250円以上の金額を田久保市長が受け取り続けることになります。伊東市民からしてみれば、民主主義のコストとはいえ出直し市議会議員選挙の4500万円の無駄遣いリスクに加えて、田久保市長の123万9250円以上の延命報酬が発生しかねません。つまり、議会解散という選択肢は田久保市長は約123万円以上得をするけど、市民は4500万円損をするというスキームにどれだけの人々が納得できるのか?田久保市長は議会解散という選択肢を本当にしてよいのかという観点から慎重に考えるべきと思います。刑事告発の行方に対する市民、国民感情の観点からも、今辞めることは田久保市長にはプラスには働くはずです」と述べた。