プロボクシングで相次ぐリング禍に〝バカサバイバー〟こと青木真也(42)が緊急提言だ。2日に行われた東洋太平洋スーパーフェザー級タイトル戦で神足茂利さん(M・T)、日本ライト級挑戦者決定戦で浦川大将さん(帝拳)が試合後に救急搬送。急性硬膜下血腫と診断されて開頭手術を受けたが、神足さんは8日、浦川さんは9日にともに28歳で死去した。日本ボクシングコミッション(JBC)が10日に緊急会見を開いて対策を示す中、同じファイトスポーツをなりわいとする青木はどう見るのか。
近年、プロボクシングにおけるリング上での事故が続いている。神足さん、浦川さん以前にも、2023年12月26日の試合後、急性右硬膜下血腫のため意識を失った穴口一輝さんが昨年2月2日に亡くなった。また、今年5月24日のIBF世界ミニマム級タイトル戦後、急性右硬膜下血腫のため意識を失った前王者の重岡銀次朗(25=ワタナベ)も、試合直後に開頭手術を受けてから意識が戻っていない。
このような状況に青木は「穴口選手が亡くなって、重岡選手のことがあって、今回の2件というのはさすがに『対応策を取っていなかった』と言われても仕方ない」と指摘。一方で「ボクシングという競技の成り立ちからして、必ず事故は起きる。そこから考えなきゃいけないんだと思う」と続ける。グローブをはめた拳で頭部を殴り、ダメージを与え合う競技である以上、事故のリスクを完全にゼロにはできないというわけだ。
これを踏まえて「事故を避けられないからこそ、時代に合わせたルールと環境の整備が必要だ。そうじゃないと今のこの時代は、いつどこから〝廃止論〟が出てきてもおかしくない」と危惧する。〝危ないから競技そのものを禁止すべき〟という極論が生まれる前に「我々は安全のためにこれだけやっている」と主張できるルールを整備すべきというのだ。
そこで引き合いに出したのが、総合格闘技イベント「UFC」9日(日本時間10日)の米ラスベガス大会での一幕だ。風間敏臣がエライジャ・スミス(米国)を三角絞めでとらえるも持ち上げられ、「スラム」と呼ばれるパワーボムのような形でマットに叩きつけられ失神して敗れた。すると試合直後に即、会場で待機していた医療スタッフから予防措置が講じられる。その後、緊急搬送されてCT検査を受けた結果、異常なしと診断された。
青木は「UFCは〝何か〟があった時のために、あれだけの医療体制を敷いている。だからアメリカでも格闘技が〝競技〟として許されているんだ」と強調。その上で「じゃあ日本のボクシング興行が、全部あれだけの医療体制を敷けるかって言ったら無理。だから、ここからは俺の意見なんだけど、興行の〝格付け〟をするしかないんじゃないか?」と提言した。
格付けとは一体どういうことか。具体的には「要は『救急車が待機していないと12ラウンド(R)までできない』とか『医療スタッフがいないと8Rまでしかできない』とか、会場の環境で制限をかけるんだよ」と説明する。そして「とにかく時代に合わせたルールを作らないと、業界自体が危ない。格闘技界だって決して〝対岸の火事〟じゃない。ファイトスポーツ全体の課題だ」と語気を強める。
危機感をあらわに熱弁をふるった青木は、最後に「今は神足さん、浦川さんのご冥福をお祈りします」と悼んだ。











