新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」23日長岡大会のBブロック公式戦で、グレート―O―カーンがKOSNOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介=30)に参院選における自民党級の大惨敗を喫した。

 本来であれば業界最高峰のリーグ戦に出場資格などあるはずもないオーカーンだが、所属する「ユナイテッド・エンパイア」はジェフ・コブが4月に退団し、HENAREが長期欠場中とヘビー級がかなり手薄な状況。典型的な玉突き人事によって分不相応な出場が決定した男が、米国・AEWのトップ戦線で活躍する竹下に勝てる見込みなど万に一つもない。リングに立った時点でオーカーンは勝利を諦めた表情を浮かべていた。おそろしく速い断念…オレでなきゃ見逃しちゃうね。

 それでもゴングが鳴れば虚勢を張ってしまうのが、プロレスラーの悲しい性だ。格上相手に一体何を勘違いしているのか、手を後ろに回しノーガードの打撃戦を挑むオーカーンの無謀っぷりにはため息しか出てこない。加えて田中将斗にも打ち勝った竹下の〝世界一のエルボー〟に対し、オーカーンは耳障りな奇声とともに猿まねのモンゴリアンチョップを繰り出すばかりで、威力もキレもオリジナリティーもへったくれもない。

 初対戦の相手でも簡単に見切られるエリミネーターを余裕たっぷりに回避されると、リバースフランケンからワガママを浴びて窮地に。ならばと大空スバル式羊殺し、逆河津落としで反撃に転じるも、やはりモーションがスキだらけのエリミネーターだけは決めることができず、もはや必殺技どころか欠陥技のレベルに到達。王統流正拳突きをボディーに打ち込んだところで体力が尽きたのか、直後に繰り出したスーパーマンパンチはハエが止まる遅さで、簡単にカウンターのエルボーを合わされてしまう。「君の敗因は容量(メモリ)の無駄遣い♥」とばかりにレイジングファイヤーでマットに沈められた。身体能力、プロレスセンス、世界的知名度、美人妻の存在、会場人気、すべてにおいて完敗だった。

 会場人気で思い出したが、昨年のG1長岡大会でオーカーンは当時のIWGP世界ヘビー級王者・内藤哲也からキンシャサの奇跡級の歴史的番狂わせを巻き起こし、特大のオーカーンコールが発生してしまった。味を占めたオーカーンは以後、浅ましいことに各会場でコールを要求していたが、当然のように活躍が見合わず声援は日に日にその声が減少。ついに長岡市民もわれに返ったのか、この日のオーカーンコールは1年前に聞いたものが幻聴だったのかと思うほどまばらで、たった1年でここまで声援を減らしたレスラーはなかなか見当たらない。

 バックステージでは「最後の紙一重で…こんなにも天と地の差が出るって…。クソが!」と悔しがったが、紙一重だと思っているのは本人以外この世に存在しない。この日の内容を見る限り2戦目(20日、札幌)で鷹木信悟に勝利したのは何かの間違いだった可能性が極めて高く、残り全敗は確実。惨敗続きで帝国の凋落を招いた責任を問う声が各方面から上がっており、G1からの潔い退陣表明が待たれると言っても過言ではない気がする。