兄弟子から〝喝〟だ。大相撲名古屋場所9日目(21日、愛知・IGアリーナ)、大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)が幕内金峰山(28=木瀬)に一方的に寄り切られて4敗目。優勝争いから脱落した。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(41=本紙評論家)は、今年に入ってから続く琴桜の不振の要因を分析。悩める弟弟子に奮起を求めた。

 琴桜が4敗目を喫して優勝は絶望的となった。前日まで1勝7敗の金峰山にノド輪で突き起こされると、中に入られてずるずる後退。何もできないまま力なく土俵を割った。取組後の支度部屋では無言を貫き、会場から引き揚げた。昨年11月の九州場所は14勝の好成績で初優勝を果たした。しかし、今年の前半3場所は5勝、8勝、8勝。長期スランプに突入している。

 秀ノ山親方は琴桜の現状について「考えすぎて体が動いていない印象。以前ならしっかり体をぶつけて相手に圧力が伝わっていたし、上半身の柔らかさを生かして相手に巻きつくような差し身のうまさもあった。今は形にこだわりすぎて小手先だけで相撲を取っているから、重さも伝わらない。琴桜の本来の良さが消えてしまっている」と分析する。

 琴桜が足踏みを続けている間に、土俵の状況は一変した。同じ番付だった豊昇龍(立浪)と大の里(二所ノ関)が相次いで横綱となり、気が付けば大関は琴桜だけ。秀ノ山親方は「琴桜は責任感が強い半面、いろいろ背負ってしまうタイプ。いい相撲を取って勝たないといけない、大関らしさを出さないといけないと考えすぎてしまっているのでは」と精神的な要因を指摘した。

 その上で「勝ち負けや形にこだわらず、思い切って自分の相撲を取ることだけに集中してほしい。お客さんも、琴桜らしい相撲を見に来ている。いい相撲を一つ取れば、それがきっかけになって流れが変わるのも相撲だから。良かったころの自分の感覚を早く取り戻してもらいたいですね」と弟弟子に奮起を求めた。

 再び横綱候補に名乗りを上げるためにも、早く低迷期から抜け出したいところ。悩める大関は、ここから復活の糸口をつかむことができるのか。