今、植物肉に注目が集まっている。植物肉の魅力は健康効果や環境貢献などにある。また、味はどうなのだろうか。開発している植物肉専門ベンチャーに聞いた。 

飲食店などには料理の形で提供されることも(写真はショウロンポー)
飲食店などには料理の形で提供されることも(写真はショウロンポー)

【地球に優しい環境効果、動物肉同様のおいしさ】

 動物性たんぱく質よりも植物性たんぱく質を取る方がいい理由には環境効果もある。

「植物肉は二酸化炭素排出量が動物の肉の約20分の1とされるので、健康に優しいだけでなく地球にも優しいのです」と指摘するのは、大豆たんぱくなどを原料とした植物肉を開発し、販売しているグリーンカルチャー(埼玉県三郷市)の金田郷史代表だ。

 実は飼育されている肉牛の出すゲップには地球温暖化の原因になるメタンガスが含まれていて、牛のゲップは二酸化炭素の25倍もの温室効果があるとされているという。

 こうした環境汚染問題のほか、現状の畜産にはエネルギーの消費や動物倫理などさまざまな課題が残されている。そうした中で、一方では地球規模での人口増加に伴い食糧不足が問題になっている。今後はたんぱく質不足が深刻化するのは必至とみられる。そうした点からも代替肉需要は世界的に高まることが確実視され、中でも植物肉は問題解決に大きく資するとみられているわけだ。

 ところで動物肉を使わない植物肉の味はどうなのだろうか。例えばグリーンカルチャーの植物肉は飲食店で現実に利用されているのだが、ミンチ状で提供されて動物肉と同様なレシピに使用され、満足感やおいしさを感じてもらっているそうだ。過去には食品展示会で来場者に同社の植物肉を試食してもらい、その95%に「おいしい」と評価されたというデータもある。

【植物性トンカツも登場】

 ただし同社では、当初は動物肉のおいしさをまねる研究から始めたものの、最近では動物性たんぱく質をまねる方針から脱皮し、食品としてのおいしさを追求する製品開発へシフトしているそうだ。

 金田代表は「味、香り、食感といった基本的な要素は緻密に研究しました。しかし近年では、それよりも食品としてのおいしさを追求した植物肉の開発を目指しています。というのは、私たちが食事を楽しむ時、それが動物由来か植物由来かは関係なく、食べた時においしいと消費者が感じてくれる商品が最終的には評価されると考えているからです」と言う。

 同社では植物性トンカツの開発にも成功している。豚ヒレカツに近い組織構造を持ち、豚のような脂の香りを有するけれども植物肉からできているトンカツだ。そのほか、ギョウザやシューマイといった日本人にもなじみの深い食品を植物肉で再現しており、レストランやレジャー施設などで提供されている。

 またグリーンカルチャーは自社でネット販売もしている。ちなみに価格はさまざまだが、おおむね動物肉と同程度の価格帯で買うことができる。健康と地球に気を配る人には、ぜひお勧めしたい。