中国の美女アスリートが引退後、続々と〝セクシー系配信者〟に転身し、その動画配信アカウントが凍結されていることが騒動になっている。中国のSNS上で賛否の声が上がっているが、背景には引退後のアスリートの第二のキャリアの厳しさがあるようだ。

 まずは中国女子体操界の美女として知られ、世界大会で金メダルを獲得した吴柳芳さん(29=ウー・リウファン)。2013年に現役を引退し、その後は若い世代の育成支援のため講師となり、指導者として第二のキャリアをスタートさせていた。しかし、給与の未払いなどの問題が重なり指導者の道を諦め、動画配信者としての人生を始めた。

 動画では当初、ダンスを披露するなどしていたが、街頭で下着を見せるなど、内容が徐々に過激化していき、アカウント凍結処分となった。

 吴さんがセクシー動画を配信したことについて、元体操選手の管晨辰(グワン・チェンチェン)さんが「何をするのも自由だが、体操の名を汚すようなことはやめてほしい」と吴さんを批判した。

 それに対し、吴さんは11月30日、「青春のすべてをスポーツ業界にささげてきましたが、トップには到達できませんでした。頂点とは何ですか? 頂点とはオリンピックのチャンピオンです、オリンピックのチャンピオンとはお金と家と車を持っているということです。私はオリンピックチャンピオンではなく、スタッフは失踪し、給料は滞納し、恋愛は失敗し、貧しいながらも慈善活動を行っている。やっていることは、ふしだらなレベルには達してません」と涙をこらえて反論した。

 吴さんに続いて、元フェンシング選手の泰雪さん(29=チン・シュエ)も大学の教員になった後、最近、セクシー系動画配信者に転身し、面積の小さいウェアで筋トレする様子などを配信し、アカウントが凍結された。11月30日、「お金を稼ぎたいのです。私には小さな娘がいます」と主張した。

 アジア大会女子50メートル背泳ぎで世界新記録をマークしたことがある劉湘さん(28=リウ・シアン)も引退後、最近、セクシー系動画配信者となり、水着でダンスする動画を配信した。12月1日時点では、アカウントは凍結されていないようだ。

 女性アスリートがセクシー系配信者に転身する流れに、中国のSNS「微博」のユーザーたちの間で「同情します」「代表チームにいた知名度を使ってセクシーなことで稼ぐのはおかしい」など議論になっている。

 中国人ジャーナリストの周来友氏は「中国は国威発揚のため、五輪メダリスト育成に巨額の資金を注ぎ、小学生になる前から五輪候補生を育成しています。ところが、世界的選手として活躍し引退した後、多くのアスリートに待ち受けているのが第二の人生の厳しさです。世界大会で華々しい活躍をした中国選手の中には引退後、ホームレスとして生活したり、メダルを売って食いつないだり、病気の治療費が払えず亡くなったりする人もいます」と語る。

 今回の吴さんについて、中国メディアは「美女アスリートの転落人生」と揶揄するような報道をしている。

 周氏は「実際には給与の未払いという経済的問題が根底にあったのです。五輪メダリストの育成も重要ですが、引退後の選手の第二のキャリアをどう支援していくかも同じくらい重要なことではないでしょうか」と指摘している。