オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第211回は「枝女」だ。
身長が2メートル以上あり、夏場でもロングコートを身につけている。口がおちょぼ口のように小さく、目は大部分が黒目であり、その眼力で見つめられると人間は動けなくなる。頬は思いっきりこけている。
ゴキブリのような動きをして、山中を猛スピードで移動する。腕の付け根の部分は、コートの上からでも確認できるぐらい隆起している。道の真ん中で立ち尽くす姿が電柱のように見え、首や手足は枝のように細い。そのため「枝女」という名前がついた。
また、狙いをつけた人間をしつこく追い掛け回し悲惨な事故に遭わせてしまう。手足が枝のようであることから、植物が妖怪化したものと思われる。
伝承妖怪で似た妖怪はいるのであろうか。水木しげるさんの著書では「万年竹」という妖怪が確認できる。これは1万年生きた竹がなるものであり、竹やぶに迷い込んできた人間をさらに迷わすという。
だが、他の伝承などに残っておらず、水木さんの著書のみである。このことから、リアルな植物である「万年竹」からインスパイアされた、水木さんの創作妖怪であると思われる。
他に怪奇作家・佐藤有文さんの著書で、「竹鬼(ちくき)」という妖怪を確認することができる。これは夜中に竹やタケノコを盗みに来た人間を枝でたたく妖怪であると言われている。これもまた万年竹と同様に、伝承に記録されておらず、昭和に作られた子供向けの創作妖怪であると考えられる。












