オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第209回は「木まもり」だ。
柿の実を収穫する時に全てを取ってしまってはいけないという。鳥や獣、昆虫のために必ず数個残さないといけないとされた。この風習を「木まもり」と呼んでいる。
もし、欲張って柿を全て取り尽くしてしまうと、その残された実が化け物となって、収穫しに来た人物に襲いかかるといわれた。
体験者の話によると、その家庭では祖母と姉が干し柿を作るのが習わしとなっていた。ある年のこと、姉は数十個作ったのだが、あと数個足りないということになった。
父親から「渋柿は全部取ってはならない」と言われていたが、ついつい残りの柿も収穫してしまった。すると、渋柿がロングヘアの若い女のようになってコロコロと転がって、姉の足にかみついた。
また、違う日には、渋柿が白髪の老婆のように変化し、これまた転がってくると、姉の太ももに食らいついた。
この事件からしばらくして、姉はくぎを踏み抜いてしまい、膝から下が切断ということになってしまった。姉は晩年まで「足るを知る」という戒めを常に口にしていたという。
柿の妖怪は数種類報告されている。例えば、「タンタンコロリン」である。時々「タンコロリン」と表記されているが、これは漫画家の水木しげるさんによる誤記が遠因である。これは未収穫の柿が食べてもらいたくて、大入道の姿となってさまようものとされた。
「柿男」は夜中に戸をたたいたり、自分のお尻をほじくって人間に食べさせるという。ちなみに味の方は格別においしいといわれている。












