オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第206回は「のっぺりさま」だ。
ある山村に伝えられる妖怪である。時々、人間を襲い、飲み込んでしまう。日頃は土の中に隠れており、人間の隙をうかがっている。注意深く土を観察していると、色が違って見えるところがある。そこが「のっぺりさま」が隠れている場所である。
ある体験者は釣りをやっている最中、河原にて色が変わっている土を発見した。のっぺりさまが隠れている場所を見つけてしまったのだ。しかし、釣りに同行していた祖父のアドバイスで、息を止めて振り返らずに我慢していた。のっぺりさまが近くまで来た瞬間、祖父が水面をたたいて妖怪を引きつけてくれた。すると一瞬にして、祖父が飲み込まれてしまった。祖父の姿が完全に消えてしまったのだ。
のっぺりさまというネーミングからして、顔つきはのっぺりしているものと推測できる。ある意味、「のっぺらぼう」の一種なのかもしれない。のっぺらぼうの場合、同じ姿で二度にわたって人を驚かせる“二度の怪”といういたずらを仕掛ける可能性が高い。もともとはこの手の話であったのかもしれない。
他にも、墓場の屍に手足が生えた「ぬっぺふほふ」の場合、意味もなくフラフラと移動し、徘徊する妖怪である。












