オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第203回は「オラガンさん」だ。

 九州地方に存在している落武者の霊である。ザンバラ髪をしており、裸足で歩いている。その手には抜き身の刀をぶら下げている。

 封印されている神社の近くの民家周辺に出没する。人間を見つけた場合、その人間を追いかけ回し、命を取ってしまうと言われている。

「オラガンさん」に見つかってしまった場合、見つかった時に着ていた洋服と髪の毛を焼いてしまえば、その祟りは防ぐことができる。

 落武者の幽霊というのは近年、あまり報告されなくなってきた。普通の幽霊であれば、100年から150年で消滅してしまうと言われている。ラストサムライが確認されたのが幕末だとすると、ここ数十年で落武者の幽霊が減少したことも納得できる。落武者の幽霊の賞味期限が切れ始めているのであろうか。

 オラガンさんは、九州地方に存在すると言われることから推測すると、幕末期の薩摩・肥後関連、あるいは西南戦争関連の幽霊かもしれない。

 封印されている神社の近くにある民家に出没することから、その神社に関係する民間人の幽霊の可能性もある。幕末の騒乱には多くの宮司や禰宜が参加していた。それらの幽霊が妖怪化したのがオラガンさんの正体ではないだろうか。