【昭和平成スター列伝】今年は日本プロレスの祖・力道山が生誕して100周年。力道山は“鉄人”ルー・テーズやパット・オコーナーら名選手と歴史的な激闘を展開したが、いわゆる悪役や怪物系レスラーとも多くの名勝負を残した。

肩を落として退場するカルホーンを横目に力道山はベルトを誇示
肩を落として退場するカルホーンを横目に力道山はベルトを誇示

“銀髪鬼”フレッド・ブラッシーとWWA王座をめぐって血の抗争を繰り広げ、1961年には日本中で話題を集めた193センチ、210キロの“密林男”グレート・アントニオも一蹴。そして63年には185センチ、273キロの超巨体で“人間空母”“お化けカボチャ”と呼ばれたヘイスタック・カルホーンも退治した。

 カルホーンは63年「第5回ワールド大リーグ戦」参戦のため初来日。羽田空港からホテルまでトラックの荷台で運ばれるパフォーマンスで話題を呼んだ。大型バス3台を引っ張るパフォーマンスを見せたアントニオと同様の話題づくりで、アイデアマンであった力道山の力によるところが大きい。

 カルホーンはリーグ戦に参戦しながら、4月17日沖縄で力道山のインターナショナルヘビー級王座に挑戦。本紙は1面で詳細を報じている。
『1本目はカルホーンが185センチ、273キロの超巨体を駆使して肉弾重爆撃で王者を押し潰して先制。2本目、力道山は跳び上がって脳天へガーンと空手チョップ連打。のど元へ水平打ちで3カウントを奪った。3本目、カルホーンは戦意喪失。力道山は死力を尽くして体当たり。3発叩き込むと、73貫のカルホーンの巨体が地響きを上げて場外に真っ逆さまに転落。そのままわずか1分4秒でカウントアウト。力道山が見事15連続防衛に成功した。「ふうっ。骨を折らせやがったぜ、あのお化け野郎。しかしカルホーンは怪物だ。すごいよ。その怪物に勝ったんだからオレも怪物ってわけかい」と力道山は笑った』(抜粋)

 国民的英雄だった力道山だけに「お化け退治」のような試合も、ファンは胸がすくような思いだったに違いない。リーグ戦は力道山がキラー・コワルスキーを撃破して5連覇を達成。カルホーンもリーグ戦では10勝2敗2分けの好成績で2位に入った。その後、力道山は5月24日東京体育館で“白覆面の魔王”と伝説的な死闘を展開し、同年12月、暴漢に刺され帰らぬ人となった。カルホーンはその後もWWWF(現WWE)などで活躍し、2017年にはWWEのレガシー部門で殿堂入りを果たしている。 (敬称略)