食中毒はどのようなポイントに気をつけて対策をすればよいのだろうか。食中毒で多いといわれる細菌やウイルス対策を中心に、内科医の前山美千代先生に教えてもらおう。
――食中毒対策として、自宅ではどういうことに気をつけるべきでしょうか
前山 細菌の場合の予防の原則は3つです。手洗いなどをしっかりして細菌を食べ物に「つけない」こと。そして、調理器具などの消毒を意識するなど食べ物に付着した細菌を「ふやさない」こと。食べ物や調理器具に付着した細菌を加熱するなどして「やっつける」ことです。
――ウイルスの場合も同じですか?
前山 似てはいますが少し違います。ウイルスの場合は、ウイルスを調理場に「持ち込まない」、ウイルスを食材に「つけない」、加熱などをして「やっつける」、食べ物や調理器具に「広げない」の4原則です。あと、特にノロウイルスに関してなんですが、手のアルコール消毒は効かないというのを知っておくといいと思います。
――ウイルスなのにアルコールが効かないんですか
前山 一般的な細菌やウイルスの消毒にアルコールは効果抜群です。コロナ対策で身についた習慣は食中毒対策にも生かされます。しかし、ノロに関してはせっけんでの手洗いが一番の予防法です。手のひらから手首、指の間まで入念に洗いましょう。
――食中毒になってしまったら、どうすればよいのでしょうか。
前山 有害物質が体内に入ったとき、体の自然な反応で、外に出そうとして嘔吐や下痢を引き起こします。この「外に出す」ということが回復をするうえでとても大事なので、下剤や吐き気止めの使用は最小限にとどめましょう。そして、水分と電解質が失われるので、しっかり水分と塩分を取ることです。
――お薬などはないんですか?
前山 基本的には自然治癒を目指します。もし、脱水がひどく、経口で水分が摂取できないときは、入院などをして点滴を行うこともありますね。
――症状を想像すると、とても大変そうです…
前山 そうですね。ただ、食中毒を恐れすぎて食事を楽しめないのも良くないですよね。外食の場合はご自身の努力で防ぎきれないこともありますが、自宅での食事においては、衛生管理など対策をしっかり行うことで、事前に防げるケースも多いです。なにより大切なことは、ご自身の体が健康な状態でいられるような日々を送ること。たとえ有害物質が体内に入っても、健康な体であれば症状が出なかったり、軽症で済むこともありますよ。
☆まえやま・みちよ T・Matsuoka Medical Center(Hanoi,Vietnam)院長。大阪医科薬科大学卒業後、2023年11月まで北陸地方の病院勤務医を経て、現在はベトナム・ハノイで内科医として勤務している。













