◇馬場貴也(39)滋賀支部93期
2023年ボートレース界の総決算となるSG「第38回グランプリ」が19日に幕を開ける。舞台はボートレース住之江。ビッグレース恒例のカウントダウンコラムは「テッペンの景色」と題し、頂点を向けて激走するトップレーサーの横顔に迫った。第1回は馬場貴也が登場。昨年は賞金王こそ逃したものの1年間の活躍が評価されてMVPを受賞。そのMVPレーサーが激動の1年を振り返った。
2年連続賞金ランク1位でのグランプリ出場はならなかったが、峰竜太に次ぐ2位での出場。トライアル2ndは1号艇で出陣だ。この結果だけを見ると今年も順風満帆のレースが続いたように映るが〝2022年のMVP〟という看板を背負っての戦いは、知らず知らずプレッシャーを受けていたという。
「今年は近畿地区選(2月)を優勝できて最初はいいリズムでした。でも、その後、記念で結果が出せずしんどかった。〝MVPを取ったし、期待に応えないと〟と焦った末にレースも荒くなっていましたね」
この歯車の狂いを指摘してくれたのが石野貴之だった。
「石野さんに3月か4月ごろ『最近、レースが危ないんちゃうか』と言われて目が覚めました。それ以降、MVPは頭から消えて、落ち着いてレースできるようになりました。他支部の自分に普通は言わなくていいことを注意してくださるなんて〝すごい先輩だな″と思いました」
冷静にレースができるようになると徐々に調子も上がり、例年、調子を落とす夏場に児島SGオーシャンカップ(7月)優出(6着)、福岡SGメモリアル(8月)優勝で賞金ランクも急上昇した。
「メモリアルの優勝戦(1号艇)は過去イチ緊張しました。もう逃げ出したいと思ったのは初めてです。SG初優勝も1号艇で緊張はしましたけど、そこまでじゃなかった。その後、経験も積んでSG優勝戦1号艇の重みというのもわかるようになり、オーシャンカップの1号艇で飛んで(6着)、2回続けて負けられないというのもあって…。福岡のインはそう強くないのに急に気象条件が変わって回転は過去の優勝戦で一番合っていなくて…。何とか勝つことができて良かったです」
修羅場のイン戦を勝ち切って一皮むけた馬場はグランプリ制覇のカギを「流れと運とメンタルですね。いかに平常心を保てるかが大事。その上で石野さんのような勝負強さを発揮したいです。雰囲気に圧倒されるかもしれないけど、あれを味わうためにグランプリに出るんで」と語る。
そして――。優勝のチャンスは「今までで一番あると思います」と目を輝かせた。












