全国統一教会被害対策弁護団の阿部克臣弁護士は17日、国会内で開かれた立憲民主党の「統一教会国対ヒアリング」に出席した。

 自民、公明両党の旧統一教会被害者救済に向けたプロジェクトチーム(PT)は、民事訴訟の支援を強化することや国が解散命令を請求した宗教法人法の資産状況を適時に把握できるようにする法案をまとめている。

 これに同ヒアリングに出席した旧統一教会元信者からは「訴訟の支援だけでは不十分だ」と訴える声が上がった。

 阿部氏は「率直に申し上げまして与党PTの法案というものは、被害者救済という意味では意味があるところが含まれているものがありますけども(教団の)財産を保全するものではないということです。現在、問題になっているのは、教団財産の散逸の恐れが高くなっていることで、それをいかに保全するかというのが問われている。肝心のそこがはなはだ不十分ということで、まったく財産の散逸を防止するような法案は期待できるものではないと思います」とした。

 続けて「与党案というのは結局は被害者自ら訴訟を保全してくださいというもので被害者の自助努力に任せるものです。あまりにも被害者の方にとって過酷なもので、負担が大きいものです。我われ弁護士が統一教会の事件を扱う時は、できるだけ訴訟にならないように交渉で解決してきました。これは一般の消費者事件とまったく異なります。一般の消費者事件は、最初に相手の悪徳業者に通知を送りまして交渉で解決をはかると。それが解決しなければ訴訟に移行するという事態には、それほど当事者の方に抵抗がありません。訴訟というのは一般的に皆、範囲内で負担が生じるだけであって、統一教会の場合と異なるからです」とした。

 旧統一教会の被害者が教団に訴訟を起こすと解決までにどれぐらいの時間を要するのか。

 阿部氏は「最低で5年、長いものだと10年とか、それ以上の時間がかかります。原告側の立証責任がありますから、さまざまな証拠、書面を作成し、それらは数百ページ、数1000ページ、そういうものを当事者の方と打ち合わせてやっていくという非常に負担の大きい作業になります。訴訟に移行せずあきらめる方もいます」と指摘した。