【石井和義の光と影#30】K―1を企画・運営していた会社「ケイ・ワン」の脱税事件で収監されていた静岡刑務所から出所し、K―1のさまざまな問題に取り組んだ後の2016年から正道会館の立て直しに集中しました。アマチュアから選手を育てて、供給する側になり格闘技は「応援団」としてやっていこうと決めたんです。

キャリアを振り返った石井館長
キャリアを振り返った石井館長

 僕は正道会館の運営から10年ほど離れていて、その間はリーダーの子が代わりに道場を守っていかなくてはいけない状況でした。彼らのやり方でやっていたんですけど、どうしても「つくられた規則の中でやれよ」みたいになってしまった。でもそれは正道ではないというか…。昔から「明るく楽しくノビノビと、やりたいことをやりなはれ」というのが正道会館だと思っていたので、その形に戻したんです。以前も一度お話ししましたが、各支部も名前を自由に変えて、各リーダーが自主的に動けるようにしました。

 その再出発として17年に「全日本空手道選手権大会」を大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で開催。現在は全国で400~500人が出場する10大会以上開催し、その上位の選手が全日本大会に出る形になっています。今年も12月17日に全日本大会を開催することが決まりました。

 ちなみに、全国の会員数はこの5年で2割くらい増えました。コロナ禍でも増えたんです。若い子たちがノビノビとやってくれたおかげですよ。これからますますいろんなことをやるから楽しみにしていてください。

 最後になりますが「人生とはなにか」を考えると新たな出会いがありました。人生の転機となった事件をきっかけに、人との出会いが変わっていったんです。それで偉いお坊さんたちと会って「人生とは…」を学び、自分のやるべきことが分かったんです。それが「正道」でした。「正しい道」とは「この肉体を使って生きている間、たくさん良いことをすること」。それが僕たちが人間として生まれた目的なんです。お金を持つのも偉くなるのも、全ては良いことをするためです。

 いくら蓄財をしても、あの世には持っていけません。僕らにはたかが100年、今のこの肉体を使う権利があるだけ。人間は「生まれて、生きて、死ぬ」を繰り返していて、あの世に持っていけるのは良いことと悪いことをした記録の2つだけ。この世で良いことをした人はあの世でも光り輝くし、悪いことをした人は地獄に行かなくちゃいけない。だからお金儲けするのは悪いことじゃない。大事なのは儲けたお金で何をするかです。

 自然に人間として生きる道を歩むのが「正道」です。僕はこれから、その正道を、空手道を通じて子供たちに教えていきたいと思っています。