ジャニーズ問題だけではなかった。国連「ビジネスと人権」作業部会がジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川前社長による性加害問題について聞き取りをしていたことが話題だが、実は同作業部会は神宮外苑再開発についても関係者にヒアリングを行っていた。

 再開発では神宮球場と秩父宮ラグビー場が建て替えられ、高層ビルも建つ予定。それに伴い、樹木も大量に伐採される。

 ヒアリングが行われたのは先月26日のこと。聞き取りを受けた団体の一つが「明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会」だ。

 同会代表の加藤なぎさ氏によると、同作業部会は来日にあたって日本で起きている人権問題について広くヒアリング対象を求めていたという。再開発で子どもたちの権利が脅かされると情報提供すると、「かなりの件数があるなかで興味を持っていただきました」(同)と聞き取りの招待が来た。

 加藤氏は「外苑再開発では森の伐採というイメージが先行していますが、それだけでなく子どもの日常生活の変化も危惧されています」と生活環境が激変すると指摘。ヒアリングでは、再開発において守られるべき子どもたちの「青空を眺める権利」「文化的価値の高い景観を受け継ぐ権利」「落ち着いた環境の中で学ぶ権利」などを訴えたという。

 ジャニーズの件と同様に2024年6月に国連人権理事会に報告書が提出されることになっている。とはいえ、1年後には再開発が進んでいるかもしれないが…。

 加藤氏は「報告書までの間に政府や企業に対して国連の方から注意なり勧告なりがあるのではないかと期待しています。特に企業は国際社会からの目をシビアに捉えるはず」と、今回のヒアリングでより対象を広げた説明会の開催など前向きな影響が出ることを望んでいる。

 国連という外圧により日本政府や再開発の事業者である企業が方針を変えることも考えられる。そうなると再開発に認可を出した小池百合子東京都知事が追随することもありそうだ。