暑い日が続き、体からじわじわと水分が奪われている。体調を崩さないためにも、脱水対策をしっかり行いたい。水分補給のポイントについて、内科医の近藤千種先生に教えてもらおう。

 ――そもそも、どれくらいの水分が毎日失われるのでしょう

 近藤医師(以下、近藤)運動などをしなくとも呼吸や汗で水分は失われます。体重70キロだと900ミリリットルほどです。そして、尿や便で1600ミリリットルほど排出されます。つまり、だいたい合計2500ミリリットルが1日で失われるという計算です。

 ――ということは、そんなにたくさん補給しないといけない!?

 近藤 いいえ。私たちの体の中では臓器が代謝を起こすことで出てくる水分もあるので、それでも足りない分を、食事や水分で補う必要があるんです。目安の計算式は「最低限必要な水分量=30ミリリットル×体重(キロ)」です。70キロだと、30×70で2100ミリリットル必要という計算に。運動をしたり、暑かったりして汗をたくさんかく日は、目安よりも多めに水分を補給しましょう。

 ――水分補給のコツなどはありますか?

 近藤 一気にたくさん飲んでもそのまま尿に出てしまう。そのため、回数を分けて摂取した方が体にしっかり吸収されます。1日の中でタイミングを決めてこまめに水分を取りましょう。

 ――こまめに飲むのを忘れがちです。特にマスクを着けていると面倒くさくて…

 近藤 着脱が煩わしくて、水分補給のタイミングを逃しているという人はいると思います。また、マスクをするとマスク内の湿度が上がるので、喉の渇きを感じにくくもなるんです。それでも、感染症対策と脱水対策は並行して行ってほしい。「喉が渇いたら水を飲む」ではなく「水はこまめに飲まないといけない」と強く意識してほしいですね。

 ――やはり水分補給は水がベストですか?

 近藤 冷たすぎない水かお茶がおすすめです。キンキンに冷たいと体温を下げてはくれますが、おなかを下す原因になります。下痢になってしまうと過剰に水分が失われるのでせっかくの脱水対策が逆効果に。あとは、ゴルフやサウナ後にビールを飲みたくなる気持ちはわかりますが、脱水対策としてはNG行為です!

 ――喉越しがよくて最高なのに、ダメですか?

 近藤 飲みたくなる気持ちはわかります!(笑い)。しかし、アルコールは利尿作用が強く、脱水につながります。喉も渇いてくるので、さらにアルコールで喉を潤していくと、どんどん脱水リスクが高まるんです。残念ながら、アルコールは脱水対策にはなりません。

☆こんどう・ちぐさ 内科学会認定内科医、抗加齢医学会認定専門医。帝京大学医学部を卒業後、総合犬山中央病院、ちくさ病院副院長などを経て、2023年10月、名古屋市内に「ちぐさ内科クリニック覚王山」を開院予定。