両親への自殺ほう助罪で起訴された歌舞伎俳優の市川猿之助被告(47)が7月31日、拘留されていた東京・原宿署から保釈された。

 猿之助被告が当主として率いてきた名門「澤瀉屋(おもだかや)」一門を現在支えているのは、いとこの市川中車(香川照之=57)。歌舞伎座「七月大歌舞伎」昼の部「通し狂言 菊宴月白浪(きくのえんつきのしらなみ)」で、中車は猿之助被告の代役として主演。「澤瀉屋」の〝お家芸〟である「宙乗り」に初挑戦したことも大きな話題になった。

 もっとも歌舞伎界ナンバーワンといわれるほどの集客力を誇った猿之助被告の〝不在〟は大きい。

 中車は46歳で歌舞伎デビューした遅咲きで、歌舞伎役者としてはまだまだ実力をつけている段階だ。

「主演した公演は大きく報じられたが、興行的にはチケット販売が5割に満たない日もあった。猿之助被告は実力もさることながら企画やプロデュース、演出のみならず、自らチケット販売に奔走するなど、多方面で澤瀉屋をけん引してきた。仕方のないことですが、猿之助被告と中車さんの集客力の〝差〟を改めて目の当たりにし、関係者も今後の不安を口にしていた」(梨園関係者)

 中車といえば、病院に入院していた猿之助被告と面会後に「澤瀉屋を守っていく」と、座頭としての覚悟を示したと一部で報じられたが、若い門弟たちへの信頼が厚いとは言えない。

 長く続いたコロナ禍による観客の行動様式の変化で、チケットも売れにくくなっている歌舞伎界。仕事を失った歌舞伎役者の廃業も相次いできたが、「将来に不安を抱えた澤瀉屋の若い役者の中にも廃業を考える者が出ている」(同)という。

 執行猶予付きの有罪判決になるか、実刑になるかは微妙なラインといわれる猿之助被告。中車の現状では、名門のピンチに変わりはないようだ。