イタリアで長年にわたって、政財界のトップに君臨したシルビオ・ベルルスコーニ元首相が12日、死去した。86歳だった。スキャンダルにまみれながらも“ドン”として君臨し続けた希有な存在だった。

 同氏は建設業とメディア業で財を成し、1994年に中道右派の新党「フォルツァ・イタリア」を結党し、下院議員に初当選。政界混乱の間隙を縫って、同年の総選挙で勝利するや首相に就任した。その後、3度にわたって、首相の座に就いた。

 失言王ともいわれ、オバマ米大統領が就任する前には「オバマ氏は若く、格好が良く、日焼けしている」と発言し、世界中から批判の的となった。

 またセックススキャンダルでも騒がせた。乱交パーティー好きで知られ、孫ほど年の離れた複数の女性との買春疑惑で起訴され、退陣を強いられた。老いてなお盛んで、2019年にはその“性豪”ぶりからイタリアで同氏をモデルにした映画「LORO 欲望のイタリア」も公開されたほどだった。

 一方、サッカーではイタリア・セリエAの名門ACミランで86~17年にオーナーを務めた。フランコ・バレージ、パオロ・マルディーニらイタリア代表、マルコ・ファン・バステン、フランク・ライカールト、ルート・フリットのオランダトリオ、デヤン・サビチェビッチ、アンドリー・シェフチェンコ、カカら各国代表選手でスター軍団を作り上げた。セリエAを8回、欧州チャンピオンズリーグを5回制覇するなど、90年代を中心に黄金時代を築いた。

 元日本代表の本田圭佑も14年にミランに移籍し、同氏と交流があった。本田は死去を受け、ツイッターに「Thank you for everything! R.I.P.」と追悼のメッセージを寄せた。