APF通信社代表でジャーナリストの山路徹氏(61)が12日、都内で、ジャーナリストの故長井健司さん(享年50)のカメラ返還についての会見を開いた。

 長井さんが民主化デモに揺れるミャンマー・ヤンゴンで軍の銃撃を受け、命を落としてから16年。死の瞬間まで手にしていたカメラがようやく遺族のもとへと戻ったことを受け、所属していたAPF通信社代表としてカメラ内の映像や状況について解説した。

 残されていた映像はわずか7分弱。祈りの言葉を捧げる僧侶や市民、トラックで到着した軍など混乱を極めるヤンゴンの様子が収められている。そのうち本人が撮影したと思われるのは5分程。さらに肝心の銃撃が起きた瞬間の5秒ほど前で途切れていた。

 山路氏は「映像が短すぎる。あんな現場にいて5分しか撮影していないなんてことはありえない」と記録時間の短さに疑問を呈した。

 さらに、音声と映像のミスマッチやフレームのずれ等、映像そのものにも違和感があるとし「これを返した側、その先に誰がいるかわからないが政治的な意図があるのではないか。見せたくない部分はカットしていても不思議ではない。さらなる検証が当然必要になる」と強調した。

 今回、会見を開いた意義については「ミャンマー政府は流れ弾が当たったという主張をいまだ貫いている。(カメラは返還されたが)事件そのものは全く解決していない。まだ終わっていないということを伝えたかった」と説明。ネットにて同映像を公開することも発表した上で「多方面から事件の検証がなされてほしい」と協力を求めた。