【日本の外食チェーン 世界でもすごかった】海外進出で成功している外食チェーンに注目する当コーナー。今回は、海外で約670店舗(2023年3月末時点)を展開し、牛丼チェーンで世界ナンバーワンの店舗数を誇る「すき家」だ。おなじみの牛丼に加え、各国で個性的なオリジナル商品を販売し現地でも大人気となっているが、その裏では文化の違いに苦労する場面もあるという。
「すき家」は中国、台湾、香港、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピン、シンガポール、ブラジル、メキシコなどに海外店舗を展開。一番多いのは460店舗(2023年3月末時点)を展開している中国だ。
海外の店舗で日本の店舗と大きく異なる点はメニューにある。日本では牛丼やカレーが主なラインアップだが、海の向こうではラーメンやチキンカツ丼、豚丼など実に様々な日本食が販売されている。その中でも目を引くのは各国になじみのある食材や味付けで考案したオリジナルの商品だ。
まずは中国で販売されている「ザリガニ牛丼」。ザリガニを食べる習慣がない日本人にとっては少し違和感のある組み合わせだが、すき家の海外事業担当者は「中国ではザリガニは高級な食材として食べられており、人気の高い食材です。そこに目をつけ、すき家ではリーズナブルな値段でザリガニを使用した商品を提供しようということで同商品が考案されました」と話す。
また、メキシコで販売されているのは「スパイシーサルサクリームチーズ牛丼」や「シラチャマヨクリームチーズ牛丼」。
これら、クリームチーズの組み合わせには意外な開発経緯があるという。「メキシコの店舗を担当する日本人の社員が現地ですし屋へ行ったところ、そこで売られていたのがクリームチーズが入った巻きずしだったそうです。日本ではあまり見かけない組み合わせですが実際に食べてみるとおいしかったようで、そこからインスパイアされてこれらの商品が生まれました」
外食チェーンの海外限定メニューでよく耳にするのは激辛メニューだが、同社もインドネシアで「激辛ラーメン」や「スパイシーチキンカツ丼」を販売中。これらはイスラム教徒向けに開発したハラル対応のメニューの一つでもある。文化の違いに対応するために工夫したことはメニューの開発に限らずあらゆる場面であったという。
「イスラム教を信仰している人はアルコールを飲まないだけでなく、触れることを嫌がる人もいらっしゃいます。そのため現地スタッフやお客様が手指を消毒する際に使うアルコール消毒に代わるものや、商品の味付けに使う酒やみりんに代わるものを現地で調達するのには苦労しました」(同担当者)
海外店舗でも客の入店時は「いらっしゃいませ」と日本語のあいさつを行っているというすき家。日本流の接客を教育する際にも文化の違いによる壁が立ちはだかる。
「日本のすき家では元気なあいさつ、ハキハキとした明るい接客、テキパキとした動作がスタッフに求められる姿ですが、国や地域によっては大きな声を出すことや素早い動作をすることが恥ずかしいとされている文化があったりします。そのため、早く動くことを押し付けるのではなく無駄な動きを省くように指導することでスタッフの行動スピードを上げたり、元気なあいさつでお客様に元気になってもらいたいという思いを伝えたりすることで理解してもらうようにしました」(同担当者)
接客だけでなく店内の内装も日本カルチャーを前面に出しており、東京タワーやねぶた、だるまといった日本を印象付けるものが壁に大きく描かれた店舗もある。「1人で食事をする文化があまりない国ではカウンター席を設けていなかったり、食器を持って食べる習慣がない国はテーブルの高さを高くしたりとそれぞれの国に合わせた配慮もしています」(同担当者)
世界から飢餓と貧困を撲滅するという企業理念のもと、世界展開に力を入れる同社は、今後も海外店舗の拡大を目指していく。
【注目の新メニュー】大人気商品「とろ~り3種のチーズ牛丼」に期間限定で新たな仲間が加わった。ピリ辛な明太マヨと、まろやかなチーズの2つの味わいが楽しめる「明太マヨチーズ牛丼」と、コクのあるトマトソースと濃厚なチーズが調和した洋風な味わいの「トマトチーズ牛丼」だ。どちらもチーズとの相性が抜群のメニュー。チーズ牛丼ファンはもちろん、まだ食べたことがない人も必食の新商品だ。





















