笑ってはいけない当選報告だ。神奈川県知事選の投開票が9日に行われ、現職の黒岩祐治氏(68)が4期目の当選を果たしたが、笑顔はなかった。当選報告に付き物の万歳もなし。報道陣からの「せめてガッツポーズを」とのリクエストも拒否。選挙中に直撃した不倫報道を受けて本人が「マイナスからのスタート」と話したように、厳しい4期目の船出となりそうだ。
午後8時にNHKのニュースが黒岩氏の当選確実の一報を流すと、横浜市にある黒岩選挙事務所に詰めかけた支援者らは一斉に拍手した。ほどなく黒岩氏本人が登場するも笑顔はなし。神妙な表情にも見えるし、頬が緩みそうなのを我慢しているようにも見える。
支援者の前で頭を下げ、花束を受け取る時も硬い表情のまま。報道陣のインタビューでは「本来なら万歳で皆さん(支援者)とともにお祝いするところだが今回はありません。異例の形となった。まずはお詫び申し上げます」と謝罪した。
謝罪の理由は選挙中に週刊文春が報じた「黒岩知事〝11年不倫〟AVプレイと卑劣な別れ」との記事だ。フジテレビキャスター時代に知り合った女性との過去の不倫関係を暴いたもので、「ニュルニュル~」など下ネタを思わせるメールも赤裸々に公開された。これで黒岩氏の真面目なイメージは崩壊してしまい、ネット上では〝ニュル岩〟なるニックネームも生まれてしまっていた。
文春砲後の黒岩氏の動きは早かった。文春発売前日の5日に公式SNSで謝罪の声明を発表。さらに翌6日の発売当日には記者会見して改めて謝罪した。一方で黒岩陣営はピリピリムード。同日に行われた厚木の決起集会はマスコミシャットアウトとなり、その後の選挙活動はリモート対話集会が増えた。
当選確実を受けて改めて黒岩氏は「10年前のプライベートなことで不愉快な思いをさせてしまいお詫び申し上げる。マイナスからのスタートという気持ちで政策実現のために全力を尽くしたい」「仕事でお返ししていきたい」と謝罪するとともに、4期目の意気込みを語った。
笑顔もなし、万歳もなしというあまりにも寂しい当選報告ということで、写真撮影の際に報道陣からガッツポーズをリクエストされるも「それはいいんじゃないですか」とそっけなく拒否。硬い表情を貫いた。
これは事前に決めていたという。事務所関係者は「万歳はなし、笑顔はなしと決めていました。もし笑っていたら県民の皆さまがどう思うでしょうか」と不倫報道の影響があったと明かした。黒岩氏自身も報道を受けて、かなり落ち込んでいたという。
選対関係者からは早くも5期目挑戦を期待する声もあったが、そもそも4期目に出るつもりはなかったという。前出事務所関係者は「3期で終わりのつもりだったが、地元の菅義偉氏(前首相=自民)から『もう少しだけお願いします』と言われたんです」。もし出馬していなかったら、文春砲もなかったかもしれない。
笑ってはいけない当選報告を終えた黒岩氏が、笑えるようになるのは一体いつの日か。












