京都府亀岡市の桂川(通称・保津川)で観光客向け川下りの舟1隻が転覆し、船頭の田中三郎さん(51)が死亡した事故で、京都府警や地元消防は29日、流されて行方不明となった別の船頭の男性(40)の捜索を行った。川下りでは過去に別の川で死亡事故があり、救命胴衣(ライフジャケット)の着用が徹底されていた。どんな問題点があったのか。
事故は28日午前11時ごろ発生した。乗客25人と船頭4人の計29人全員が川に落ち、田中さんが死亡し、客25人と、船頭2人は救助された。1人の船頭が行方不明となっている。保津川遊船企業組合によると、船頭の1人がかじで水をかこうとしたところ、バランスを崩して川に転落。残り3人でコントロールしようとしたが、岩にぶつかって転覆した。
増水(危険水位)の基準を守り運航し、乗客、船頭ともにライフジャケットを着用。舟に穴が開いていたなどの故障はなかった。船頭たちも9年以上のベテランで、技術的に問題がなかった。不運が重なった事故という見方が多い。川下りでは、2011年8月の天竜川川下り船転覆死亡事故で乗客4人、船頭1人が死亡。ライフジャケットを船に搭載していたが、着用していなかったため被害が大きかったとみられ、この事故以降、国土交通省は再発防止のため、川下りにライフジャケットの着用を徹底させた。
保津川でも11年8月の事故直後から、客にベストタイプのライフジャケット着用を義務付けた。同組合ホームページ(HP)では「保津川下りでは、よりご安全にご乗船いただくため、救命胴衣(ライフジャケット)の着用をお願いしております。着用に同意されないお客様および着用できない方につきましては乗船をお断りしております」としている。
もし問題があったとすれば、12年4月からベストタイプではなく、ウエストタイプ(腰巻き)のライフジャケットに入れ替えたことがあるかもしれない。
遊漁船関係者は「上半身全部を包むベストタイプは水に落ちても確実に浮いて、顔が水面に出ます。ただ、夏場はひたすら暑く、汗ダラダラ。ウエストタイプは見た目がおしゃれで、夏場に快適。通常時はしぼんでいて、落水時にジャケット内部の小さなガスボンベが反応して自動で膨張するんですが、浮力が出るまでのタイムラグがある。何より、浮輪のように腰だけ浮いて、胸が浮くわけではないので、顔を水面に出すには浮遊姿勢を保つために自力でバランスを取る必要がある」と、2種類のジャケットの違いを指摘した。ただ、同組合HPではベスト式についても希望を受け付けるとしている。
29日、組合は会見を開き、「お客さまに怖い思いをさせてしまい、心からおわび申し上げます」と謝罪。国の運輸安全委員会の調査官も現地を訪れ、詳しい調査が始まっている。











