東京都渋谷区の貴金属店で店長らに包丁を突き付け、現金約350万円やネックレスなどの貴金属100点以上(計4000万円相当)を奪ったとして、警視庁捜査1課は19日、強盗容疑で三重県の男(19)を逮捕した。捜査1課によると、三重県内の警察署に家族と出頭し「指示を受け1人で強盗をした」と供述している。この店では昨年12月に2回、指輪などが盗まれた事件があり、別の男らが逮捕されている。

 逮捕容疑は14日午後6時40分ごろ、渋谷区神南の貴金属店で20代の男性店長らを脅し、現金のほか、ショーケース内のネックレスやブレスレットなどを奪った疑い。

 被害品は見つかっていない。レンタカーで逃走したとみられ、東京都中野区内のコインパーキングに乗り捨てられていた。金沢ナンバーだった。車内外に消火器の粉がかけられており、捜査1課は男が証拠隠滅を図ったとみている。

 19歳が1人で強盗を行い、被害店は3回目の被害に遭ってしまった。男は車を横付けすると、ショーケースには目もくれずに、従業員室に逃げ込む店員を捕まえて包丁で脅し、現金を奪った。その後、強化ガラスのショーケースを普通のハンマーで割ろうとして割れないと分かったら、すぐに強化ガラスを割れるハンマーに持ち替えて割った。

 元暴力団関係者は「同じターゲットリストが複数の犯罪グループに出回っているということでしょう。この店は車を店に横付けできるロケーションでした。店員を脅し現金を取ったし、ハンマー2種類を用意していた。男単独でこのような周到な犯行ができるわけはなく、指示役がいたということでしょう。その指示役も『ルフィ』グループの影響を受けて、実行役に強盗をやらせたと思われます」と語る。

 かつて海外からの武装強盗団などは店の閉店後に壁に穴を開け、押し入る手口だった。そうなると宝石はあっても、現金はない。宝石は換金するのが難しく、暴力団などに10分の1ぐらいの価格で買いたたかれ、その暴力団はツテを使って換金し、大儲けしたものだった。

「反社が驚いたルフィの“発明”は、SNSで使い捨ての実行役を無限に集めていたことと、確実に現金を奪うために住民や店員がいる時に押し入らせて現金を奪い取らせたこと。使い捨てだからこそ、できる粗暴で確実な方法です。フィリピンの入管施設の収容所という遠隔地の不自由な場所だからこそ思いついたものです。その前まで強盗、空き巣、特殊詐欺にはスキルが必要でしたから」と同関係者は指摘している。