各地で相次いだ広域強盗事件を受け、政府が省庁横断で「闇バイト」対策を取りまとめることが先日、明らかになった。SNS上での募集書き込みの削除推進などが盛り込まれ、犯罪対策閣僚会議で決定する方針だ。ただこれだけ社会問題となっても、いまだに闇バイトによる犯罪は後を絶たない。いったん闇バイトに足を踏み入れると「進むも地獄、退くも地獄」なだけに、絶対にやめるべきだ。

 東京都墨田区の住宅に押し入り、60代女性にけがをさせたとして、警視庁捜査1課は15日、強盗致傷と住居侵入の疑いで千葉・松戸市の職業不詳の男(19)を逮捕した。男は「家に入ったが、殴ったり蹴ったりはしていない」と一部否認しているという。金品が奪われる被害は確認されていない。闇バイトで募集され、構成された強盗グループの可能性がある。

 また、フランスなど8か国から違法薬物を密輸しようとしたとして、東京税関は15日までに、関税法違反の疑いで、東京都新宿区新宿の無職の男(22)を東京地検に告発した。大規模密輸・密売組織のリーダーとみられ、SNSの「闇バイト」で「荷受け転送」や「副業募集」とうたって荷受け役を募り、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」で指示していたという。

 全国にまたがった広域強盗事件では、逮捕された「受け子(特殊詐欺の現金受け取り役)」や「たたき(強盗役)」という実行役の多くがSNSで高額報酬をうたう闇バイトの募集に応じ、「ルフィ」などと名乗る人物から具体的な指示を受けていたとされる。

 闇バイトに応募してしまったら、必ず実行役をやらされることになる。元暴力団関係者は「普通のバイトでも履歴書を出すように、闇バイトでは名前の分かる免許証などを持った自撮り写真を送信させて、高額報酬の仕事を与えます。受け子や出し子、たたき、出会い系サイトなどのサクラ、銀行口座の名義貸し、ドラッグストア強盗など、いくらでも使い捨てできる人手が必要です。だから、闇バイトに応募した時点で、リクルーターは食らいついて放してくれません。実家の親を襲うとか、脅してきて、実行役を強制させます」と語る。

 危ない仕事をやらされることに気づき、実行前に逃げても地獄を見ることになる。

「以前、闇バイトから逃げた人がいました。その人はリクルーターから脅されたので、警察に被害届を出し、安心したそうです。しかし、リクルーターは送信させた自撮り写真をSNSにアップし、『バックレです。しかも、警察に通報するヤツです』として、実名をハッシュタグにして、徹底的にバラまいたんです。それがSNSで拡散し、その人は闇バイトに応募した危険人物として、正業に就けなくなったそうです」と同関係者。

 闇バイトに応募した時点で詰んでしまうということだ。