モンスターは新階級でも勝てるのか。前世界バンタム級4団体統一王者でWBC&WBO世界スーパーバンタム級1位の井上尚弥(29=大橋)が、5月7日に神奈川・横浜アリーナでWBC&WBO同級王者スティーブン・フルトン(28=米国)に挑戦することが正式に決まった。世界が注目する大一番を、ボクシング界きっての論客で元日本スーパーライト級王者の細川バレンタイン氏(41)が徹底予想した。

 井上は6日に都内で開かれた会見で「過去最大のモチベーションを持ってトレーニングに励んでいけると思います」と気合十分。「(フルトンに)パワーでは負けていない。一瞬のスピードなら自分が上」としながらも「倒せるタイミングがあれば倒しに行きますけど、それ以外はしっかりポイントを重ねることが重要」と勝負に徹する構えを見せた。

 世界が注目する一戦は、どんな展開になるのか。現役時代は外資系金融機関の営業マンとの二足のわらじで王者となり、現在は会社経営の傍ら公式ユーチューブチャンネル「前向き教室」で発信も行う細川氏は「〝理論上〟はフルトンが有利。尚弥のプロボクシングでのキャリア上、もっとも拮抗した試合になると思います」と予測する。

 井上が移動速度やパンチの回転数、耐久力で勝るとみる一方で、フルトンは体格や手数の面で分があり、パンチスピードも「一見互角。でも、フルトンの方がリーチが長いのにスピードが同じくらいに見える。ということは、フルトンの方がわずかに速いということ」と分析した。

 さらに、細川氏は「(フルトンは)尚弥より長い距離をキープして、外で戦うことができる。今までの相手にいなかったタイプ」と指摘。昨年12月の4団体統一戦でポール・バトラー(英国)が守備に徹し、井上がKOで倒すまでに11ラウンドを要したことを例に「要はフルトンはあの距離からパンチを当ててくるイメージなんです」と〝苦戦〟の材料を挙げた。個別の要素を見ていくと、フルトンに有利な条件がそろっているというわけだ。

 ただ、細川氏は「でもね、そういう想像を尚弥はことごとくひっくり返してきたわけですよ。だからこういう条件がそろえばそろうほど、またすごいものが見られる気がしてならないんですよ」とモンスターの本領発揮に期待する。

 さらに「尚弥としては、とにかく当てられる距離に入ること。気になるのはフルトンって気が強いからか、相手のフィールドで戦おうとすることがたまにあるんですよ。もしそうなったら、一瞬で尚弥が終わらせると思います」と豪快なKO勝ちの可能性にも言及した。

 果たして、軍配は…。新たな舞台に立つモンスターの、新たな姿に注目だ。