福岡を拠点とするアイドルグループ「HKT48」の矢吹奈子(21)が、卒業を前に約10年におよぶアイドル人生を振り返った。自身最後のシングルとなるHKT48の16thシングル「君はもっとできる」でセンターを務め、4月1日の卒業コンサートをもって、アイドルに終止符を打つ。海外での活動などさまざまな道を歩んだ矢吹が、伝えたい思いとは――。

 ――「君はもっとできる」はストレートな応援歌ですね

 矢吹 歌詞をいただく前に秋元(康)先生からLINEで「前向きな奈子への応援歌にしました」とメッセージをいただいて。実際に歌詞を見たときに「君はもっとできる」「自分のこと ちゃんとちゃんと そう信じてごらんよ」など歌詞が背中を押してくれました。卒業はゴールという感じもしますけど、これから自分にとってはまた新たなスタートを切る意味もある。不安な気持ちもあるけど、何でも挑戦していこうと思えました。

 ――ミュージックビデオはメンバーが共同生活してるような内容で、HKT48らしい〝笑顔〟も印象的だ。撮影現場の雰囲気はどうでしたか

 矢吹 本当に共同生活をしてみたいなと思いました(笑い)。現場では、これでミュージックビデオを撮るのも最後なんだなと思って、ところどころでウルウルしちゃいましたね。最後にみく(田中美久)とのシーンを撮ったんですけど、長くかかってしまって。それでもメンバーみんなが待っていてくれて、お花まで用意していただいた…。感動して涙が出ちゃいました。

 ――シングル表題曲のセンターを2度務め、AKB48との兼任、日韓ガールズグループ・IZ*ONEのメンバーとして海外でも活躍した。これまでの経験を伝えたい思いは

 矢吹 伝えることはすごく難しいとは思うんですけど、私も先輩に相談して教えてもらったことがたくさんある。卒業前に後輩に伝えるようにはしていますね。

 ――相談されてアドバイスしたことは

 矢吹 どういう立ち位置で活動していけばいいか分からないという悩みを聞いて、「長所を伸ばすといいよ」とは言いました。これは私の経験ですけど、韓国に行ったときに立ち位置に迷ったんです。歌もダンスも上手な人がいっぱいいて、私は身長も低いからみんなの足を引っ張ってないかなといろいろなことに悩んでいた。人はどうしても短所をなんとかしようと頑張ってしまうけど、自分の良いところを見つけて、長所を伸ばしていく。私の経験ですけど、その方が絶対にもっと輝けるだろうって。だからその子ができることを「もっとできるようにして目立っていこう」と伝えました。

矢吹奈子がアイドル人生を振り返った
矢吹奈子がアイドル人生を振り返った

 ――12歳でHKT48に加入。これまでのアイドル活動の中で一番思い出深いものは?

 矢吹 やっぱり総選挙になるかな。本当にファンの方と一緒に作った思い出ですね。順位が上がってAKB48の選抜に選ばれたうれしいことだけじゃなく、順位が下がっちゃったときも思い出です。私はもちろん悲しいですけど、ファンの方が「悔しい!」と泣いて伝えてくれる。悲しいときに同じ気持ちでいてくれるファンの人がいるって、すごいことだなって。生誕祭や卒業でもファンの方がいろんなことをしようと動いてくださる。10代前半のころはあまり分からなかったんですけど、いまはありがたさをすごく実感しています。

 ――4月1日にパシフィコ横浜で卒業コンサートを開催する。残り少ないアイドル生活でしたいことは

 矢吹 卒業発表してあと半年あると思っていたのに、時間の早さにビックリしてます。したいことは…メンバー全員でご飯に行きたいですね(笑い)。コロナ禍で、全員での打ち上げもなくなっちゃったから。昔はツアーで20歳を超えてる人は二次会があって、10代の私はいつもうらやましがってたんです。せっかく20歳になってやっと行けると思ってたんですけどね(笑い)。卒業コンサートの準備期間に真面目な話だけじゃなく、みんなで話したりして全員での思い出を作りたいです。

前向きに未来を語った矢吹奈子
前向きに未来を語った矢吹奈子

 ――今後のHKT48に期待すること

 矢吹 HKT48はわちゃわちゃした感じが面白くて楽しくていいなって思うんです。それはこれからも崩してほしくないなと思うんですけど、HKT48の仲の良さは今もずっと変わっていないから心配はしていません。本当に頼もしい後輩が多いので、どんなグループになるんだろうと今からワクワクしてます。

 ――卒業後は女優として活躍する目標を掲げている。矢吹さんの姿は後輩たちの道標にもなる

 矢吹 指原(莉乃)さんはHKT48のころからですけど、卒業後も個人としてたくさんお仕事されている姿を見て、カッコいいなと憧れています。私もそんな風に思ってもらえるようになれたらうれしいですね。あとは、人間性を大切にして、人としても尊敬してもらえる存在になれるように、頑張りたいです。

 ☆やぶき・なこ 2001年6月18日生まれ、東京都出身。13年にHKT48の3期生として加入。14年3月発売の「桜、みんなで食べた」で初選抜入りし、18年の「AKB48世界選抜総選挙」では9位に。その後、同年10月~21年4月に日韓ガールズグループ「IZ*ONE」に専念し、アジアを中心にグローバルな人気を獲得。HKT48劇場での卒業公演は3月27日に行う。