〝神童〟の発奮材料とは? キックボクシングからボクシングに転向した那須川天心(24=帝拳)が、4月8日に東京・有明アリーナで日本バンタム級4位の与那覇勇気(32=真正)を相手にデビュー戦を行うことが正式に決定した。新たな舞台での戦いへ向けて闘志を燃やす那須川は、プロレス界の話題をさらった〝あの事件〟からも刺激を受けている。

 那須川はキックボクシングで42戦全勝(28KO)の戦績を残し、昨年6月の武尊戦勝利後にボクシング転向を正式に表明。9日にB級プロテストに合格し、13日の会見では17戦12勝4敗1分け(8KO)の実績を持つ与那覇とスーパーバンタム級の6回戦で対戦することを発表した。

 会見の冒頭では、敬愛する新日本プロレスのオカダ・カズチカ(35)のレインメーカーポーズを披露。「ボクシング界にカネの雨を降らせる決意か?」の問いに一度は苦笑いしつつも「言われてみればそうかもしれない…。降らせますよ」と不敵に宣言した。さらに「今回の試合はボクシングからの〝果たし状〟だと思っている」「覚悟をもってボクシングと戦おうと思っている」と決意を表明。「自分の可能性をどれだけ信じられるかということを体現して、それを見てもらいたい」と意気込んだ。

 その那須川の闘志に火をつけたのが、ノアのGHCヘビー級王者・清宮海斗が1月の新日本・横浜大会でIWGP世界ヘビー級王者・オカダに放った「顔面蹴り」だ。試合権利のない清宮が死角から打ち抜き、大乱闘を展開。21日のノア・東京ドーム大会での一騎打ち実現につながった。神童は「あのキックは本当に良かったですよ。良かった。あれで一皮むけたというか、一選手として〝上がった〟感じがありますよね」と興奮気味に話す。

 当初、この清宮の行動にオカダが拒否反応を示し、試合のボイコットも辞さない姿勢を見せた。ファンからも否定的な意見が上がっていたが「世間からは(賛否の)〝否〟ももらっているじゃないですか。それをどう変えるかが、これからの清宮選手の力量だと思うので、それに負けずにやっていってほしいです」とエールを送った。

 実は、那須川は2020年7月にも清宮に対する共感の言葉を口にしている。まだ新日本とノアの間で対抗戦の機運も全くない中で突如、清宮がオカダとの一騎打ちをアピールしたのだ。神童は当時から「すごく気になります。年も近いし、いいですよね」などと話していた。その3年前の行動を実現させた形だけに「地道にやっているから、ああいうことができるわけですよ。〝ポッと出〟では絶対にできない。さすがだなと思います。あっぱれ。応援しています」と拳を握った。

 戦うリングは違えど、奮闘する同世代から存分に刺激を受け取った。その熱さを胸に、ボクシングでも連勝を積み重ねるつもりだ。