121、122期にスポットを当てる「Challenge! 新人選手紹介」。今回は兄弟レーサー・中釜健次(たつひで、24=大阪)にスポットを当てる。5回目の試験で養成所に合格した苦労人は、兄・章成(としまさ、25=大阪)が在籍するS級昇格を目指してまい進中だ。

 兄の章成は〝絶対に競輪選手になる〟という強い意志を持って高校時代から自転車競技に取り組み、113期としてプロデビューを果たした。そんな兄の姿を見て「なんとなく自分も競輪選手になりたいな」と考えていたが、そんな安易な思いで受かるほど甘くない。日本競輪選手養成所の試験に3回落ちると、ついに心を入れ替える。

「兄とは意識が違いすぎました。今まであまり努力をしてこなかったけど、4回目の試験に向けては本気でやりました」

 しかし4回目の試験も残念ながら不合格。「さすがに堪えたし心が折れましたね…」と振り返ったが、ここでめげずにさらに努力を続ける。そして5回目の挑戦でようやく養成所に合格した。

 卒業記念レースでは準優勝。実戦向きのレースセンスと勝負強さは今後の大きな武器となりそうだが、本デビュー後はルーキーらしく先行基本の自力勝負に徹している。

 現状は「兄貴ほどの脚力は自分にはない。でもレースの流れとか周りはよく見える方だし、長所だと思っているので。そこを生かしていければ。持ち味はダッシュだけど、以前より地脚も付いてきた。今意識しているのはラインを連れ込む走りをすること。あとペース配分や組み立てを覚えているところです」と冷静に自己分析し、今後の課題を挙げた。

 理想とするのは「古性(優作)さんのような何でもできる選手」と言って目を輝かせる。「古性さんをはじめ、バンクに行けば強い方がいっぱいいらっしゃるので。良い練習をさせてもらっています」と岸和田の好環境の中で脚力の底上げを図っている。

 現状のチャレンジ戦では、優勝争いには加わるものもなかなか勝ち切れていない。能力を思えばやや物足りない数字だが、決して焦りはない。「同期とはいずれ、大きい舞台でしっかり戦いたいので」と先を見すえているからだ。

Q&A

――同期の中で一番仲が良い人、また一番のライバルは

 中釜 仲が良いのは(松本)秀之慎、(中野)慎詞、塩崎(隼秀)とかですかね。慎詞からは自転車についてのアドバイスもよくもらいます。ライバルは特にいないけど、同期全員に負けたくないって気持ちはあります!

――「健次」で「たつひで」

 中釜 一発で「たつひで」って読めるのはもちろん誰一人いません。もう「けんじ」って呼んでもらっていいです(笑い)

☆なかがま・たつひで 1998年8月30日生まれ。165センチ、70キロ。大阪支部121期。養成所順位は29位。師匠は山村慮太(97期)